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援協が総会と定期評議員会=合計で年間予算6億1千万レ=「社会から信用される貢献を」

挨拶をする税田会長

挨拶をする税田会長

 サンパウロ日伯援護協会本体、並びに、その福祉部と傘下老人ホーム4施設を含む日伯福祉援護協会(税田パウロ清七会長)は、「定期総会」及び「定期評議員会」を先月29日(木)、援協ビル5階で開催した。20年度事業及び決算報告の討議と承認並びに、21年度事業計画と予算の承認が行われた。


 冒頭、この1年間に亡くなった人を偲んで一分間の黙祷が捧げられた。菊地義治評議会会長は挨拶で「ブラジルでは今週までに40万人がコロナで亡くなっている。あの長崎・広島の原爆で亡くなった人でも、それぞれ約7万人とか約16万人とか言われている」とコロナ死者の多さを強調し、それを少しでも減らすのが医療機関の仕事であると前置きし、「援協の役割が大きくなっています」と訴えた。
 さらに、日伯友好病院では医療従事者や従業員のコロナ感染者数が少なく、同患者の死亡率も他院に比べ30パーセント低いという。「医療関係者は特に気をつけながら、日系社会ブラジル社会で信用される社会貢献をして頂きたい」と期待を込めた。

オンラインからも参加者が多数

オンラインからも参加者が多数

 税田会長は昨年からのコロナ禍をふまえながら、各協会傘下施設や病院の状況を説明し「人々の幸せをより大きなものにするため、良くしていきましょう」と役員や協力者、従業員を激励した。
 21年度事業計画では、日伯援護協会・福祉援護協会共に、一部をJICAからの助成金や病院からの資金を資金源とした事業を発表。建築や改修工事、設備・備品の購入を行っていく。
 20年度決算報告では日伯援護協会の2020年度総利益は1億8371万8674レで、当期純損益は6965万7732レ。福祉協会は売上総利益1753万4941レ、当期純損益は189万7543レの赤字となった。
 日伯援護協会ではJICA助成金を資金源とした予算が808万8千レ、JICA助成金が得られなかった場合には病院の資金で事業を行うとして1億2891万5千レの予算で発表。
 一方、福祉援護協会はJICA助成金予算が1161万6千レ、JICA助成金もしくは病院からの資金で事業を行うとして1013万4千レを発表した。

総会の様子

総会の様子

 ただし、奄美デイサービスセンターは前年度の実績が無いためJICAからの助成金が0レとなっている。以前は地域児童の社会教育を行っていたが、2019年7月で契約終了に伴い新たに高齢者デイサービスセンターとして始動するプロジェクトを進めている。
 総合予算では、日伯援護協会が収支ともに5億7585万4千レ、福祉援護協会は3890万レを発表し、承認された。
 両協会評議員の選出も行われ、単一シャッパで新評議員会が決定した。会長・副会長・書記・正評議員・評議員補を含めて援護協会では38人、福祉援護協会では27人が選出されている。任期は23年まで。
 また、改めて21年1月からの新理事役員が紹介された。

 

 

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