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《ブラジル》ルーラ裁判の「モロ判決に偏り」正式に=擁護派4判事いたが覆らず

モロ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom)

 23日、最高裁で判事投票が中断していた、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の担当判事だったセルジオ・モロ氏のルーラ元大統領に対する判断に関する審理の続きが行われた。未投票だった判事たちがモロ氏に有利な票を投じたものの、結果は変わらず、モロ氏は「偏った判断があった」との結果に終わった。24日付現地紙が報じている。
 この件に関しては4月22日に、最高裁の全体投票で「モロ氏に偏りがあった」との判断が過半数を超える7票入ったため、実質的には決まっていた。だが、マルコ・アウレーリオ判事が票の見直しを求めたために、同判事とルイス・フクス長官の2票を残したところで中断となっていた。今回の審理再開は、7月12日に定年退職となるアウレーリオ判事たっての願いでもあった。
 4月当時から予想されていたように、アウレーリオ判事とフクス長官はモロ氏を擁護した。アウレーリオ判事はモロ氏を熱心にかばい、ルーラ氏に関して「最高裁によって政治的に復活した」とまで言い切った。

 また、かねてから最高裁きってのラヴァ・ジャット支持者と目されていたフクス長官は、モロ氏の判断に疑問がもたれるきっかけとなった、2019年にハッキングされた携帯電話の内容でモロ氏が判断されるのは公正でないと説いた。
 だが、この2人の票が入ったところで、ジウマール・メンデス、リカルド・レヴァンドウスキー、ローザ・ウェベル、カルメン・ルシア、アレッシャンドレ・デ・モラエス、カシオ・マルケス、ジアス・トフォリの全7判事の判断は覆せず、最高裁全体投票7―4で「モロ氏の裁きには偏りがあった」という判決が下った。
 これによって、5月に最高裁の全体投票で決まった、ルーラ氏を有罪としたパラナ州連邦地裁でのラヴァ・ジャット裁判の判決も正式に無効となった。
 ルーラ氏は21日に、第2期政権の頃に自動車製造業界に便宜を図る暫定令を作成して承認された疑惑に対する捜査「ゼロテス作戦」に関しても、連邦直轄区連邦地裁の判断で裁判対象から外されたばかりだった。

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