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《ブラジル》予防接種開始から6カ月=ワクチン不足で接種率伸びず=過半数接種第1号はサンパウロ州

接種開始から6カ月間の5カ国での死者の7日間平均の推移(17日付G1サイトの記事の一部)

 新型コロナ用のワクチンとしてのコロナバックとオックスフォード・ワクチンの緊急使用が認められてから6カ月が過ぎたが、ブラジルの予防接種の実施速度は英・米・イスラエルといった国と比べて遅いと17、18日付現地サイトが報じた。
 ブラジルの新型コロナ用予防接種第1号は、緊急使用が認められた1月17日にコロナバックの接種を受けたサンパウロ市の看護婦モニカ・カラザンス氏だ。
 保健省によるワクチン配布が始まった1月18日には、リオ市のコルコバードでも接種開始を象徴する形の接種が行われたが、一般の人々への接種は、州から市への配布が行われた1月19~20日からが多い。
 カラザンス氏が接種を受ける様子がブラジル初の予防接種例として報じられた1月17日から6カ月経った17日には、接種開始日から半年を経た時点での接種完了者(2度の接種終了者か1回のみで済むワクチン接種者)の割合が15・7%となったと報じられた。
 この数字は、中国の15%こそ上回るが、英国の61・42%や米国の43・33%、イスラエルの44・15%と比べるとかなり低い。この差は、各国が確保できたワクチンの量によるところが大きい。
 ブラジルでは大統領の反対もあって予防接種そのものへの取り組みが遅れた上、オックスフォード・ワクチンの入手が遅れ、確保できたワクチンはコロナバックのみという状態で接種が始まった。また、現政権と中国政府との摩擦で有効成分(IFA)の輸入が遅れるなどして、ワクチンの国内生産にも遅れが生じた。

 オックスフォード・ワクチンの供給量が増え、ファイザー、ヤンセンといった会社のワクチンも届いたため、コロナバックが占める割合は減ったが、変異株の出現などで接種を早める動きがある中、ワクチンがなくなって一時的に接種を中止する事態も繰り返された。
 ある程度のペースで接種を行わないと接種効果が出るのが遅れる事は、接種開始から3カ月以上経ってから死者が減り始めた事でも明らかだ。先に挙げた国々では接種開始から1カ月半程度で死者が減少し始めた。接種開始から6カ月での死者の7日間平均も、米国260人、英国40人、イスラエルや中国0人に対し、ブラジルは1244人と大きな差が出ている。
 それでも、市レベルでの接種開始から6カ月の19日にはサンパウロ州での接種率(少なくとも1度、接種を受けた人の割合)が50%を超えたとの朗報が流れた。接種完了者の割合は、マット・グロッソ・ド・スル州の29・09%が最も高い。
 ブラジルでは19日、108万3286人が初回接種、44万4090人が2度目または1回のみの接種を受け、最低1度接種を受けた人が42・51%(9002万6281人)、接種完了者も16・22%に増えた。1月17日以降、7月19日までの接種回数は計1億2438万3623回に上っている。
 18歳以上への接種は今年中に2度目まで終わる予定だが、12歳以上の接種についてはまだ見解が分かれている。

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 サンパウロ市では現在、30代前半の初回接種が進んでいるが、来週の29日からは、60~62歳でファイザーやアストラゼネカのワクチンを受けた人の2回目の接種が始まる。現状で決まっているのは、29日の60〜62歳を皮切りに、19日に初回接種を受けた34歳の人たちが10月11日に2度目を受けるところまで。接種したワクチンがコロナバックの場合は4週間後の接種だ。このペースなら、サンパウロ市では10月の半ば過ぎには30代までがワクチン終了となる。

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