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《ブラジル》高齢のコロナ入院者が増加=カンピーナスでは集団感染=死者減少中だが若者接種進行で

ワクチン接種後も防疫対策は忘れずに(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 新型コロナのワクチン接種が進み、感染者や入院患者や死者が減少傾向にある。だが、サンパウロ州やリオ州では高齢者の入院者数や入院患者に占める比率が増している。サンパウロ州カンピーナス市の施設では高齢者と職員の間で集団感染が起きるなど、接種後も防疫対策継続が必要な事を示す例が報告されている。
 3日付フォーリャ紙などによると、高齢者の入院者数や比率の上昇はオズワルド・クルス財団(Fiocruz)のレオナルド・バストス氏の分析で明らかになった。
 サンパウロ州の場合、6月最終週の80歳以上の入院患者は666人だったが、7月最終週は985人で48%増えた。リオ州では315人が595人に89%増えたという。
 バストス氏は、コロナ感染確認後に重度の呼吸器系疾患で入院した人と入院後に感染が確認された人の数を届出の遅れを修正して集計している。同氏によると、サンパウロ州での入院者増は80代以上中心だが、リオ州では6月に始まった入院者増が60代にまで及んでいる。
 ワクチン接種が進み、若年入院者が減っている事もあり、4月半ばと7月最終週で比較した60歳以上の患者の比率は、サンパウロ州が42%から60%、リオ州は51%から66%に増えた。
 高齢者の入院者数増加の原因は解析中だが、考えられるのは次の3点。2度目の接種を終えた事で安心して外出するようになったこと、抗体ができにくい人や接種率が低い地区の人の間で感染が広がっていること、時間の経過で抗体が弱まったか消失したことだという。

 他方、カンピーナス市の施設での集団感染も気がかりだ。8日付G1サイトなどによると、80歳以上でアルツハイマー症や認知症のある患者専用収容施設「シニオル・ヴィット」の4施設中2施設で1~2日、血中の酸素量低下や嘔吐、下痢などを起こした患者5人が入院、90歳の女性1人が死亡した。
 同施設の患者や職員は全員、2度の接種を受けており、防疫基準も守っていたというが、その後に行った検査の結果、二つの施設で働く看護師やボランティアら14人、患者17人の計31人の感染が確認された。
 職員は全員無症状で、17人の患者も無症状または軽症で隔離中だ。病院で検査を受けた患者19人の結果はまだ出ておらず、感染者数は増える可能性がある。
 同市では7月29日に長期収容者への訪問を認める市条例が出たが、今後の対応が注目されている。これらの施設ではまだ訪問は受け入れていないため、無症状の職員から感染が広がった可能性が疑われている。
 高齢者の入院者数増でもわかるように、予防接種は重症化や死亡例を防ぐ効果が高い。ただし、2度の接種完了後も感染の可能性はあるし、無症状者が感染を広げる例もあるので、基本的な防疫対策は継続する必要がある。
 高齢者施設での集団感染はリオ・グランデ・ド・スル州でも起きており、その一つでは7月下旬以降、収容者40人中12人と職員42人中5人の感染を確認。5日までに94歳の男性と89歳の女性が死亡した。

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