ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》国に先駆け州や市が補強接種=「計画無視すれば不足」と警告=抗体低下は全ワクチンで?

《ブラジル》国に先駆け州や市が補強接種=「計画無視すれば不足」と警告=抗体低下は全ワクチンで?

新型コロナのワクチン接種(Myke Sena/MS)

 【既報関連】保健省が新型コロナの2度目のワクチン接種から6カ月以上過ぎた70歳以上または免疫力の低い人への3度目の接種(補強接種)を、9月15日から始める意向を表明した。
 その直後、国より早く補強接種を始めると発表する自治体が続いており、ケイロガ保健省が、国の計画に従わないところではワクチン不足が起こるとけん制する事態が起きていると25、26日付伯字紙、サイトが報じた。
 9月15日から補強接種を行うとの意向は、24日に開かれた州や市の保健局長らとの会合で明らかにされた。同件は世界保健機関からの批判も浴びたが、25日には再度、9月15日から補強接種開始と確認された。
 また、9月からはアストラゼネカ製ワクチンの接種間隔を2カ月とする意向も表明。ファイザー社製はまだ検討中だ。
 だが、保健省が補強接種開始は9月15日からで対象も70歳以上としたのに対し、リオ市は9月1日から、サンパウロ州は9月6日からなど、前倒しで始める意向を表明する自治体が出ている。
 デルタ株の感染中心地で、病床占有率も高まっているため、高リスク者への感染を防ぎたいリオ市は25日、老人ホームに住み、2度目の接種から6カ月以上経っている人への接種を9月1~10日に行うと発表。ワクチン不足で停止した17歳以下への接種開始とその日程も発表された。

 また、サンパウロ州も25日、9月6日から補強接種を開始と発表したが、同州の対象者は60歳以上と免疫力が低下している人で、どこ製のワクチンかはこだわらない。また、補強接種を受けた事は、通常の接種時のような緑のカードではなく、青いカードに記載すると発表した。サンパウロ市も新規感染者に占めるデルタ株患者の割合が増えている。
 補強接種を最初に始めたのはマラニョン州のサンルイス市で、長期間施設で暮らしている70歳以上の高齢者と医療関係者で2度目の接種から6カ月以上の人への補強接種が26日に始まった。その他の市では9月15日からの予定だ。リオ州ニテロイも26日に、27日から補強接種開始と発表した。
 だが、ケイロガ保健相は25日、国の予防接種計画に従わない自治体ではワクチン不足が起こると警告した。
 他方、補強接種の必要は25日発表の英国の研究でも確認された。ファイザー製とアストラゼネカ製のワクチン接種完了者の接種後の抗体の状態を調べたところ、1カ月後の感染抑制率が88%だったファイザー製は5~6カ月後は74%に、1カ月後は77%だったアストラゼネカ製は4~5カ月後には67%に、各々、低下したという。

image_print