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《ブラジル》スマホ決済強盗が増加=電撃誘拐や携帯電話強奪後

PIXを使うための画面(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 昨年末に中央銀行が導入したスマホ決済システム「PIX」は、時間や場所を選ばず送金でき、手数料も不要などの簡便性が受け、利用が普及した。だが、それを悪用した犯罪も急増していると27日付エスタード紙などが報じている。
 一例は、21日午後6時頃、婚約者と共にサンパウロ市セントロのエスタード大通りを走行中の銀行家が、車のガラスを叩き割った賊に携帯電話を奪われ、30分後には3800レアル(約8万円相当)をPIXで他の口座に送られた上、投資ファンドからも2千レアルを奪われていた件だ。
 最近は、携帯電話にPIXその他の銀行関連のアプリや暗証番号、運転免許、車関連の書類などの諸情報を入れて歩いている人が増えており、携帯電話さえ盗めばその中の情報を読み取り、送金その他の方法で、ある程度まとまった金を盗む事ができるようになった。

 もちろん、電撃強盗のような形で本人の手でPIXや銀行のATMを使うなどの手段で金を動かさせる強盗団もいる。だが、サンパウロ市セー地区を担当する市警第1署の担当警部によると、同地区での電撃誘拐はさほど多くなく、携帯電話を含む窃盗事件が多いという。
 だが、サンパウロ州保安局によると、1~7月の電撃誘拐は昨年同期比で39・1%増えたという。ただし、PIXが絡んだ電撃誘拐の数は不詳だ。
 サンパウロ市の市警は24日、ペン・オフという名前のオペレーションを実行し、携帯電話の個人情報などを読み取る機材を違法販売していた容疑者を逮捕したが、これらの容疑者は氷山の一角に過ぎない。
 PIXは安全、迅速などをうたい文句として導入された。だが、最近は犯罪が急増した事などを加味して、送金額に上限を設けるなどの対策が講じられた。先に挙げた銀行家の被害が前記の金額で済んだのはそのためで、それ以前は10万レアル(約211万円相当)を奪われた例もあった。ブラジル銀行連盟は中銀に更なる犯罪防止策を要請している。

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