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ブラジル雑俳紀行―俳句で旅行の印象作る―=連載(8)=遠くても親しみのある国=BRICS、理解できた

2005年12月08日(木)

  (7)帰途
◇1◇  現地発九月二十二日午後十一時五十分、東京行き日本航空71便に乗った。当日は夕方まで時間があり、サンパウロ最高のショッピングセンターや最大のスーパーマーケットを見学。いずれも東京では想像も出来ない広さを誇っており、世界のブランド商品、世界中の物産を扱う店が軒をつらねているのに驚いた。BRICSといわれる所以のものであろう。
 一方、裏町にも活気があり、広大な大地特有の珍しい産物の店もある。例えばアサイジュースの店である。アサイとはアマゾン地方、とりわけパラ州で古くから愛用されてきた椰子の実で、豊富なビタミン、食物繊維、鉄分やカルシウムに加え、ポリフェノールを含んでいる。最近では、ダイエット食品、エネルギー補充に最適商品として消費をのばしている。バナナを混ぜたジュースは結構うまい。ブラジルは、既にオレンジ、マンゴ等のフルーツで世界を制覇しているそうであるが、いずれアサイもそうなる時期がくるかもしれない。
●  アサイ汁 精力つけるともう一杯
◇2◇ 帰りの飛行機の中で見つけた新聞報道は驚きだった。それは、〇五年九月十二日の朝、琵琶湖でピラニアが見つかったという記事である。「滋賀県水産試験場によると、捕獲されたのは体長15・7センチ、重さ95・6グラムのピラニア・ナッテリィと呼ばれる魚種。同県高島市新旭町の琵琶湖で十二日、刺し網にかかっているピラニア一匹が見つかり、同試験場が回収した」ということである。
 どのようにしてこのような現象が生ずるのか。生態系への影響も生じているかもしれない。
とんでもないような国際化の一端に驚いて、二句。
● ピラニヤも 琵琶湖で採れる国際化
● ピラニヤが 空を飛び来て琵琶湖にも
 日本からみれば、ブラジルは距離的には遠い国である。しかし、いまや先人の功績から、琵琶湖のピラニアは別としても、人間も物も交流は盛んで、例えば、この夏は、ブラジルのビーチサンダルが大人気であったとも聞いている。さらには、ブラジルのスナックパン「ポンデ・ケージョ」は、多くのパン屋の店頭に並んでいるし、サンパウロでも知る人ぞ知るアサイジュースが、既に日本で売られていて、家内も「ポリフェノールのジュース」として知っていた。
 地球半周の距離は距離として、親しみのある国である。機会があれば、再度、再々度、行ってみたいと思う。
● 遠い国 帰ってみれば近い国
(岡本弘昭さん通信、おわり)

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