「政治改革」と「汚職防止法案」こそ最優先課題
戦後ブラジルでは選挙で選ばれた大統領は、軍政前にドゥトラ、ヴァルガス、クビチェッキ、クアドロス、グラールまで5人、民政移管後はネーヴェス、コーロル、FHC、ルーラ、ジウマ、ボルソナロの6人で計11人だ。
ただし、本人の自殺や病死、辞職、罷免によって昇格して大統領になった最高裁長官や副大統領が9人もいる。前記の11人の大統領で任期を全うしたのはドゥトラ、クビチェッキ、FHC、ルーラのたった4人。この戦後74年間の中で、だ。
生きている元大統領はサルネイ、コーロル、FHC、ルーラ、ジウマ、テメルの6人だが、うちコーロルとジウマは罷免され、ルーラは昨年、テメルは先日逮捕された。今後のラヴァ・ジャット作戦の進展次第では、さらなる元大統領逮捕もありええる。なにもないのはサルネイ、FHCのみ…。
ブラジルにおいて「大統領に選ばれ、任期を全うし、退任後も罪に問われない」ことは、神業的に難しい。なぜ難しいかと言えば、汚職をしないで資金を集めて選挙に勝ち、それをしないで任期中に連邦議会の票まとめをすることが難しいからだ。