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2013年

第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(76)  

  ニッケイ新聞 2013年9月12日    地方で起きた認識派に対する襲撃は、実行者が地元の人間ではないケースが多い。これは、実行者が、狙った相手が住む土地の誰かと、直接もしくは間接に連絡があり、情報を入手していたことを、我々に推定させる。  自然、そういう連絡・情報網が存在したのではないか……と、推定は膨らむ。その情報網とし ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (55)=〃珈琲帝国〃に紅茶王国

ニッケイ新聞 2013年9月27日  日本移民の多くは「金のなる木=珈琲」(Ouro Verde)があるとの宣伝文句に乗ってブラジルへやって来たが、不思議なことに「紅茶王国」を作った。  米作が不振に陥った海興では困難に直面していた。原始林は倒してみたものの米、サトウキビ、マンジョッカなど元々あったもの以外は、何を植えていいもの ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (54)=山積する海興への借金=「宣伝に偽り」夜逃げ続出

ニッケイ新聞 2013年9月26日  レジストロ生れの吉岡初子さん(81、二世)は「KKKK(海興)には発電機があって、そこだけ夕方6時から夜10時までは電気をつけた」という。まさにそこだけ文明の〃灯り〃が点っていた。原始林に囲まれた中、リベイラ川の川沿いに、そこだけ忽然と開かれた人間世界があった。  リベイラ川の岸に建てられた ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (53)=奥地邦人羨む水郷の暮し=「捨てるぐらい魚あった」

ニッケイ新聞 2013年9月25日  1933年にサンパウロ州新報社が刊行した『在伯日本移植民二十五周年記念鑑』(香山六郎)には、レジストロ植民地の環境をうらやむ様子が書かれている。いわく《レヂストロ殖民地がサンパウロ州奥地の他の邦人殖民地より土地は肥沃でなくとも、此の洋々たる淡水河に臨んで居る環境は、サンパウロ州奥地邦人殖民地 ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (52)=赤間学院の原型は4部学校=「國の尊き魂を南米に植え」

ニッケイ新聞 2013年9月24日  レジストロには1919(大正8)年にまず中央小学校(後に第3部)が開設され、その後、第2部、第4部、第5部、市街地と、合い前後して計5校ができた。最初は日本語だけだったが、ブラジル政府から教師を派遣してもらい、日伯両語で教授をはじめた。  第5部小学校の校長の仁戸田庸吉郎(にえだ・ようきちろ ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (51)=草分け時代の痛快な青年ら=名門子弟の〃大陸流し〃

ニッケイ新聞 2013年9月21日  米作不振からサトウキビにも手を伸ばそうと、1921年に海興は担当者を社費でペルナンブッコ州に派遣して実況視察させ、組合員の連帯責任で圧搾機を購入して植民地全体で作るよう指導したうまくいかなかった。  《折角製造された砂糖も単に粗糖で、市場との取引は不可能で、会社が市街地に精糖工場を造って、こ ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (50)=続々と発足する自治組織=果敢に米作試みるが下火

ニッケイ新聞 2013年9月20日  《各所に水田も出来、又所々に水車も回る様になり、日本の田舎を偲ぶ風情も見られる様になった》(野村『思い出』45頁)という具合で、レジストロはまさに〃日本村〃になろうとしていた。  同植民地には伯剌西爾拓殖会社時代から「会計庶務部」「植民部」「試験農場」「アルマゼン部」の設備があり、職員が切り ...

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麻が結わえた南米との絆=エクアドルの古川拓植=(5)=アバカ林の先に日本庭園=受け継がれる移住者の信念

ニッケイ新聞 2013年9月20日  「バルサのいいところはね」と羽富博さん。「種を撒いてから4、5年で切れる。手入れもほとんど必要ない。ちょっと土地が余っている人は種を撒いておけば臨時収入を得られて助かるんだよ」。  羽富さんがエクアドルに来たのは72年。日本の商社の駐在員として来たが独立した。古川拓殖の2代目古川欽一社長の資 ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (49)=13年振りのふる里に失望=「海外発展は奪うにあらず」

ニッケイ新聞 2013年9月19日  輪湖俊午郎は1918年、13年ぶりに一時帰国したにも関わらず、信州松本市に手土産一つ持たず、こうもり傘一本で帰省した。そして、ふる里に失望した——。  8月17日には近隣の信州長野市にも米騒動が起きていた。輪湖は《村人の心さへ荒れすさび、嘗て想像でも許されなんだ不愉快また薄情な空気が、ここに ...

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麻が結わえた南米との絆=エクアドルの古川拓植=(4)=日本で有名「田辺バナナ」

ニッケイ新聞 2013年9月19日  エクアドルに到着した翌年に誕生した二男、田邊洋樹さん(ひろき、45)は、アメリカの大学を卒業後、日本で英語講師などをしていた。でも、兄の仕事の関係から、日本のバナナの取引先である会社に勤めるようになった。  兄弟に転機が訪れたのは2005年。たくさんの農家から集めたどんなものかわからないバナ ...

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