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沖縄100周年=「百年の流れ」テーマに=盛大に祝賀芸能公演

ニッケイ新聞 2008年8月27日付け

 【既報関連】沖縄県人ブラジル移民百周年を祝った二十四日、午前中の記念式典に続き、会場のジアデマ沖縄文化センターで午後三時ごろから祝賀芸能祭が開かれた。
 「百年の流れ」をテーマにした同公演は、笠戸丸移民の県人夫婦の歩みと、四世の曾孫が自身のアイデンティティを探していく姿を描いたもの。
 苦労の末帰国を果たす夫婦だが、戦争のためブラジルへ戻れなくなってしまう。夫役の知念直義さん、妻役の比嘉光子さんが沖縄方言の台詞で熱演。曾孫役の糸数ニュートンさん(34、四世)のコミカルな動きは会場の笑いを誘った。
 場面の合間には十七の琉球芸能団体ほか関係団体・個人などが出演し、劇と関連する踊り、音楽、古武道演舞などを披露。笠戸丸移民の宮城伊八氏が持参した「百年前の三線」も演奏された。
 カポエイラやマラカトゥなど随所にブラジル文化も登場して〃融合〃を表現。今年のサンパウロ市カーニバルで沖縄をテーマにしたサンバチーム「プローバ・デ・フォーゴ」も出演して花を添えた。獅子舞とボイ・ブンバの共演も好評だった。
 約一年前から準備を始め、各パートごとに練習を重ねてきた同公演。舞台設置の都合などで事前の全体練習を行なえないという状況の中でも良くまとまりを見せた舞台に、会場から盛んな拍手が送られていた。
 舞台は、戦後帰伯した妻が家族そろってカジマヤー(数え年で九八歳)を祝う場面で終幕。午後六時ごろカチャーシーが始まると、老いも若きも満面の笑みで踊り、百周年の祭典を共に祝った。
 公演をコーディネイトした留学・研修生OB会「うりずん」のメンバー、仲地アウロラきょうこさん(三世)は終了後、「各団体の協力のおかげで、素晴らしい公演ができました」と笑顔で話した。
 この日、午後二時からは同センター会館で国際柔道大会も開催された。

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