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サンパウロ州2番目の大強盗=元デカセギが関与か=現金輸送社から2千万レ

ニッケイ新聞 2009年12月9日付け

 6日午後、サッカーのブラジル選手権優勝決定戦の花火の騒音にまぎれて、サンパウロ市西部のヴィラ・ジャグアラ区にある現金輸送会社に複数の強盗が地下トンネルから押し入り、現金約2千万レアルが持ち去られる事件が起き、容疑者の一人に元デカセギと見られる日系人ミツイ・マリオ容疑者(39)が入っている。
 被害総額はサンパウロ州史上2番目。エスタード紙やフォーリャ紙、グローボSPTVなどが一斉に報道した。
 強盗集団は、現金輸送会社近くの家を7カ月前に購入し、人工衛星測位システム(GPS)を駆使して犯行用に長さ150メートル、直径1メートルのトンネルを通って金庫に近づき、ブラジル選手権の決勝戦を見計らった午後5時頃、床に穴を空けて建物内に侵入した模様。
 トンネル内部は陥落しないようコンクリートで補強され、はしご、ライト、換気口まで取り付けられていた。
 そのトンネルは、同区ジョゼ・マスカロ街190に位置する住宅の地下から始まっている。その住居はデカセギ帰りを自称するミツイと名乗る日系男性の名前で、7カ月前に15万レアルで購入されているが、偽名として使われた可能性があるようだ。
 検察側は、手口からプロ集団の犯行とみなし、数カ月前から住民が忙しい午前8時から正午までの時間帯に室内で大音量で音楽を流し、トンネル作業が進められていたのでないかとみている。
 その住居には、子連れの夫婦が住んでいたほか、家政婦や庭師が出入りしていたのが目撃されている。
 7日夜、市警によって問題の住居購入に関わったとされる20~30代の男性5人、女性1人が逮捕された。しかし、この6人の中にミツイ容疑者と確認される男性は含まれておらず、依然調査が続けられている。

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