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W杯支援委員会=県人会宿泊に問合せ多数=宮城、文協は観戦会を実施=援協が緊急連絡先カード配布

 1月にサンパウロ州の日系主要団体が立ち上げた「ブラジルワールドカップ日本人訪問者サンパウロ支援委員会」では、その後、徐々に支援の具体化が進められている。緊急宿泊先として3県人会館が開放されるが、そこには毎日問い合わせが寄せられている。また援協は医療施設に加え、日系団体や総領事館への緊急連絡先カードを作成した。宮城県人会と文協では6月14日午後10時試合開始の日本代表の初戦コートジボワール戦の観戦イベント開催を決定している。

 宮城、秋田、高知の3県人会がサロンなどを開放し、各会1日最大10~30人程度の宿泊者を受け入れる。ただし秋田、高知は事前予約を受け付けておらず、「あくまで緊急時の避難所」(秋田・川合昭会長)、「県連に寄せられたSOSを受けて提供する」(高知・片山アルナルド会長)といった姿勢だ。
 宮城県人会だけは1泊80レ、2泊以上は60レと設定し、すでに期間中40人以上の宿泊者が確定している。2~8人の相部屋や、大講堂をテントで仕切りマットを敷いて就寝場所を提供する。
 「利用者は単に寝泊りするだけでなく、日系社会との交流を目的としている人もいる。宮城では日本代表の全試合の観戦イベントも企画中で、交流拠点として存分に活用したい」と中沢会長は話した。
 秋田、高知の料金は1泊ともに85レ。3県人会ともに人数次第で雑魚寝の場合もあり、値段との兼ね合いもふまえるとあくまで緊急の宿泊地と考えたほうが無難だ。
 援協はプラスチック製の連絡先カードを2千枚用意した。日伯友好病院、リベルダーデ診療センターだけでなく各総領事館、日系団体への連絡先が記してある。足立操事務局長、坂和三郎副会長は「医療以外のいろいろな緊急事態に備え、網羅したものを載せた。渡伯者や日系店舗、コロニア要職者などに配布し、緊急対応に備える」と説明した。
 「文協は貴賓室で観戦イベントを行いますよ」と明かすのは木多喜八郎会長。「みんなで盛り上がるためにも必要。人数が多ければ大講堂前のサロンで」と話し、午後8時から開場、10時に試合開始を予定。
 なお在外公館でも日本の観戦客向けに、特別な臨時連絡先を設けることになっており、電話番号などが後日公表される。
 たとえば在聖総領事館は日本代表が敗退するまでの間、館内に「W杯対策本部」を設置する。日本が試合を行うレシフェ(14日)は在レシフェ出張駐在官事務所が、ナタル(19日)、クイアバ(24日)でも大使館と連携し、臨時事務所を設け会場付近での緊急事態に備えるという。

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