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【2016年移民の日特集号】リオ五輪=さあ、みんな応援しよう!=出場しそうな日系代表選手=期待の14人を一挙紹介

 開催まで50日を切ったリオ五輪。南米大陸初開催となるスポーツの祭典には、移民が普及に貢献した柔道や卓球など、複数種目に日系人も出場する予定だ。意外な競技や滞日経験のある非日系まで、判明した限り掲載する(6月13日時点)。日本人選手だけでなく、ぜひ日系選手もコロニアを挙げて応援したいところ。なお、彼ら以外にも出場の可能性がある日系選手はいる。出場が決定した選手には、当確マークを添えた。

 

【柔道】

キタダイ・エイジ・フェリペ(左端、Daniel Zappe/MPIX/CBJ=Confederacao Brasileira de Judo)

キタダイ・エイジ・フェリペ(左端、Daniel Zappe/MPIX/CBJ=Confederacao Brasileira de Judo)

《確》キタダイ・エイジ・フェリペ(26)=男子60キロ級
 サンパウロ市出身。15年の汎米大会(カナダ・トロント)では銀メダルを獲得。前回ロンドン五輪では銅メダルに輝き、同大会で唯一の日系メダリストとなった。国際柔道連盟の定める世界ランキングは14位(6月現在)。すぐ上の13位にはエリック・タカバタケがおり、今大会の代表入りに伯字紙では「意外な選出」と報じられた。そんな声をはねのけ、母国で日系人初の2大会連続メダルを狙う。

 

知花コウシロウ・チャールズ(Roberto Castro/Fotos Publicas)

知花コウシロウ・チャールズ(Roberto Castro/Fotos Publicas)

《確》知花コウシロウ・チャールズ(26)=男子66キロ級=
 サンパウロ市ビラ・カロン出身の沖縄系三世。最新の世界ランク19位。3歳から柔道を始め、家族の支えや沖縄角力の経験を生かし、代表選手にまで成長した。15年汎米大会ではオール一本勝ちで金。その後の本紙取材では、五輪出場と金メダル奪取を宣言した。観戦に訪れる予定の祖母、弘子さん(沖縄)らに歓喜を届けられるか。

 

マリアナ・シルバ(Daniel Zappe/MPIX/CBJ)

マリアナ・シルバ(Daniel Zappe/MPIX/CBJ)

《確》マリアナ・シルバ(26)=女子63キロ級=
 サンパウロ州沿岸部ペルイベ出身のブラジル人だが、岡山学芸館高校の卒業者。過去に取り上げられたエスタード紙などには、「8歳上の兄に影響され柔道を始める。留学を勧められ15歳から5年間、日本に在住した」という記事が掲載されている。ロンドン五輪に続き63キロ級で選出。世界ランク16位。目標は「メダリストになること」。

 選手以外にも男子チームを率いるのはサンパウロ市ヴィラ・ソニア出身の篠原ルイス準一監督(61、三世)。74年ロス五輪で監督を務めた、父の正夫さんに続き重責を担う。女子コーチには筒井マリオさん、同じく特別コーチとして藤井(旧姓・中野)裕子さん(33、愛知)らが選手を支える。

 

【卓球】

坪井グスタヴォ(ITTF=International Table Tennis Federation)

坪井グスタヴォ(ITTF=International Table Tennis Federation)

《確》坪井グスタヴォ(32)=男子個人、団体=
 ドイツリーグに所属する、サンパウロ市出身のブラジル王者。北京、ロンドンに続き3大会連続の出場となった。07年、11年汎米大会では、現女子代表監督の小山ウーゴさん(47、三世)らと共に団体戦で連覇。15年大会も団体で金、個人では銀を獲得した。過去には日系のイタイン・ケイコウ卓球クラブに所属。第47回パウリスタ・スポーツ賞(03年)受賞者でもある。世界ランク83位。

 

マツモト・カズオ(ITTF)

マツモト・カズオ(ITTF)

《確》マツモト・カズオ(30)=男子団体=
 サンパウロ市出身、サンカエターノ・ド・スール・スポーツクラブ所属。ブラジル卓球連盟(CBTM)の選手紹介には、7歳から文協卓球クラブで競技を始めたとある。自身初の五輪では、団体戦にのみ出場。世界ランク108位。ちなみにブラジル人最上位はもう一人の個人戦出場者、ウーゴ・カルデラーノの63位。坪井、マツモト、カルデラーノの3人で団体戦に臨む。

 

クマハラ・アイコ・カロリーネ(ITTF)

クマハラ・アイコ・カロリーネ(ITTF)

《確》クマハラ・アイコ・カロリーネ(20)=女子個人、団体=
 サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ出身、サンカエターノ・ド・スール所属。ロンドンに続く選出。11年、15年の汎米大会にも出場し、15年大会には中国出身の帰化人グイ・リン、ベテランのリジア・シウバと共に団体で銀、個人では銅メダルを獲得している。今年3月の世界選手権(団体戦)では、日本女王の石川佳純と対戦し善戦した。

 

タカハシ・ユミ・ブルーナ(Freddy Almendariz/ITTF)

タカハシ・ユミ・ブルーナ(Freddy Almendariz/ITTF)

《確》タカハシ・ユミ・ブルーナ(15)=女子団体=
 12歳以下、15歳以下など各年代別で代表に選ばれてきた期待の若手。現在は飛び級で、年齢制限のないフル代表入りを果たしている。3月の世界選手権団体戦にも出場し、日本でも「日系15歳の美女」と報じられ話題を呼んだ。個人戦では代表の座からもれたが、クマハラ、グイ・リンと共に団体戦に登場する。サンパウロ市出身、サンカエターノ・ド・スール所属。

 卓球は出場全6枠の内、4枠を日系人が占めた。選手時代、6度の五輪を経験した小山監督が女子チームを率いるが、団体3選手とも世界ランク100位以下と苦戦が予想される。本番では地元の声援を味方につけ、「団体戦で目指すはベスト8」と目標を掲げている。

 

【体操】

オヤカワ・アルトゥール・ノリ・マリアーノ(Paulo Pinto/Fotos Publicas)

オヤカワ・アルトゥール・ノリ・マリアーノ(Paulo Pinto/Fotos Publicas)

《未》オヤカワ・アルトゥール・ノリ・マリアーノ(22)
 サンパウロ州カンピーナス出身、ピニェイロス・クラブ所属。父は柔道、母は競泳経験者というスポーツ一家に生を受ける。本人は「黒い真珠」の異名を持つダイアネ・ドス・サントスに憧れを抱き、体操競技に没頭するように。15年汎米大会で団体銀。先月、サンパウロ市で行なわれた国際大会ワールドチャレンジ杯では跳馬で金。目標とする選手は世界王者の内村航平。

 

ササキ・セルジオ・ヨシオ・ジュニア(Paulo Pinto/Fotos Publicas)

ササキ・セルジオ・ヨシオ・ジュニア(Paulo Pinto/Fotos Publicas)

《未》ササキ・セルジオ・ヨシオ・ジュニア(24)
 サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ出身。ロンドン五輪個人総合10位の実力者だが、14年12月に膝を負傷。半年の離脱を余儀なくされ、15年汎米大会の出場を見送った。同年10月の世界選手権直前にも肘を負傷。不運に見舞われながらも、先月のワールドチャレンジ杯では鉄棒で金、あん馬と跳馬で銀を獲得。好調を維持し個人総合で上位進出を目指す。

 

ジュリー・キム・シモン(COB=Comite Olimpico do Brasil)

ジュリー・キム・シモン(COB=Comite Olimpico do Brasil)

《未》ジュリー・キム・シモン(18)
 15年汎米大会の団体銅メダルのメンバー。幼少期からバレエを習い、日系の父の勧めもあって4歳から体操競技を始める。五輪審判員の沢里由美さん(66、二世)による体操クラブ「ヤシ」で10年間鍛えた。14歳からは単身リオへ。フラメンゴFCでキタウラ・ケリーらの指導を受け、代表選手にまで上り詰めた。

 

【陸上】

杉町マハウ(本人公式サイトより)

杉町マハウ(本人公式サイトより)

《未》杉町マハウ(31)=400メートルハードル=
 ゴイアス州サンミゲル・ド・アラグァイア市出身。92年、小学3年時に訪日し協和中学(栃木)、常磐高校(群馬)を卒業した。学生時代から頭角を現し国体で二連覇を達成。ブラジル代表として08年北京五輪ほか、3度の世界選手権にも出場した。5月のエスタード紙で「五輪標準記録を突破した2人目の選手となり、出場は決定的」と報じられた。今大会では決勝進出を目標に掲げている。今も日本在住で好きな食べ物はカレー、よく聞く音楽はJ―POPと日本人そのもの。

 

【水泳】

オキモト・シントラ・ポリアーナ(本人公式サイトより)

オキモト・シントラ・ポリアーナ(本人公式サイトより)

《確》オキモト・シントラ・ポリアーナ(33)=オープンウォーター(10キロ遠泳)=
 サンパウロ市出身、サンタ・セシリア大学(UNISANTA)所属。2歳から水泳を始め、7歳から大会に出場。02年世界短水路選手権(モスクワ)にて800メートル自由形18位。遠泳転向後の05年、国内の遠泳大会で優勝を飾る。07年汎米大会で銀(10キロの部)、13年世界水泳にて10キロの部で金、5キロの部で銀。五輪では、北京大会から10キロ遠泳が正式種目に追加され7位、ロンドン五輪にも出場した。昨年はW杯第2戦で4位、世界水泳で6位。実力者のアナ・マルセラ・クーニャ(24)と共に上位進出を目指す。

 

タカギ・ガレーラ・タミー(COB)

タカギ・ガレーラ・タミー(COB)

《確》タカギ・ガレーラ・タミー(25)=飛板飛び込み女子シンクロ3メートル=
 リオ出身、フルミネンセFC所属。母が水泳教師でのため、幼少期から海水浴に連れて行かれたという。競泳やトランポリンを経験し、12歳から本格的に飛び込み競技を始める。高さ3メートルの飛び板から、2人1組の選手が同時に飛び込み、演技と同調性を競う種目に出場する。ジュリアーナ・ヴェローゾ・ロドリゲス(25)とのペアで臨んだ15年世界水泳では、19組中18位で予選敗退、汚名返上を狙う。ちなみにツイッター登録名は「Tamma_Chan」。

 

【ラグビー】

石橋ハルミ・パウラ(Kimio Ido/Nikkey Shimbun)

石橋ハルミ・パウラ(Kimio Ido/Nikkey Shimbun)

《未》石橋ハルミ・パウラ(31)=7人制女子=
 パウリーニャの愛称で親しまれる、サンパウロ市出身の三世。ハンドボール、バレーボールの経験を経て、15歳から本格的にラグビーを始めた。自宅の近くにサンパウロ・アスレチック・クラブ(SPAC)があったことがきっかけ。キャプテンとしてチームを牽引する。リオ五輪を最期に一線を退く覚悟で母国大会に臨む。

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