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セレソン=最後の親善試合に25人召集=W杯の切符は誰の手に?

12日のチッチ監督(Lucas Figueiredo/CBF)

12日のチッチ監督(Lucas Figueiredo/CBF)

 12日、サッカーのブラジル代表(セレソン)のチッチ監督が、3月下旬にロシアとドイツを相手に行われる親善試合のメンバーを発表した。W杯前最後の調整となる試合では、一部、意外なメンバーを発表し、話題を呼んだ。
 召集メンバーは以下のとおりだ。〈キーパー〉アリソン(ASローマ)、エーデルソン(マンチェスター・シティ)、ネット(ヴァレンシア)、〈サイドバック〉ダニエル・アウヴェス(PSG)、ファギネル(コリンチャンス)、マルセロ(レアル・マドリッド)、フィリペ・ルイス(アトレチコ・マドリッド)、〈センターバック〉ミランダ(インテル・ミラン)、マルキーニョス(PSG)、チアゴ・シウヴァ(PSG)、ジェロメル(グレミオ)、ロドリゴ・カイオ(サンパウロ)、〈ボランチ〉カゼミロ(レアル・マドリッド)、フェルナンジーニョ(マンチェスター・シティ)、フレッジ(シャフタール・ドネツク)、〈ミッドフィールダー〉パウリーニョ(バルセロナ)、フィリペ・コウチーニョ(バルセロナ)、レナト・アウグスト(北京国安)、ウィリアン(チェルシー)、タリスカ(ベジクタシュ)、(フォワード)ガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)、ロベルト・フィルミーノ(リバプール)、タイソン(シャフタール・ドネツク)、ダグラス・コスタ(ユベントス)、ウィリアン・ジョゼ(レアル・ソシエダ)
 エースのネイマールを骨折で欠く中、W杯での規定を2人超える25人を選出した形となったが、この選出に驚きの声が漏れている。
 最大のサプライズは、ウィリアン・ジョゼとタリスカだ。
 ウィリアン・ジョゼはスペインのレアル・ソシエダの不動のセンター・フォワードとして活躍。現在、得点王争いでリーグ8位と、まずまずの結果を出している。ただ、これまでは、「スペイン中位チームのエース」とのイメージが強いためか、ブラジルのサッカー・ファンの反応はいまひとつ良くない。
 一方のタリスカは、トルコの強豪ベジクタシュの司令塔として活躍。チームを欧州チャンピオンズ・リーグの決勝トーナメントに導く活躍を見せている。タリスカは、4年前にポルトガルの強豪ベンフィカで華々しいデビューを飾るも、その後に調子を落とし、レンタル移籍でベジクタシュに流れていた。
 また、タイソン、フレッジの2人も、シャフタール・ドネツクを欧州チャンピオンズ・リーグでベスト16入りさせる活躍をしたが、シャフタール・ドネツクは「欧州の強豪に行く前の踏み台チーム」的なイメージがブラジルのサッカー・ファンには根強く、彼らの召集に賛成の声は少ない。

 さらに、ファギネル、ロドリゴ・カイオ、ジェロメルといったディフェンダーはチッチ監督がかねてから大枠のグループにいれていたブラジル国内のお気に入り選手だが、これまでも賛否両論があり、召集に不満の声も出ている。
 また、3人目のキーパーとして呼ばれたスペインの名門ヴァレンシアのネットも、国民の声では「せめて第3キーパーは、優秀な人材ひしめくブラジル国内チームの所属選手から呼ぶべきでは?」と求める声がネット上などで目立っており、歓迎されているとは言いがたい。
 チッチ監督は既に、ネイマールをはじめ、16人をW杯決定メンバーと定めており、残りの枠は7人とされている。そこに誰が滑り込んでくるか。3月の親善試合は、試合結果そのものよりもむしろ、そこが注目かもしれない。

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