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トラック・スト=いつの間にか政治闘争に=運転手が軍事介入求める=極右分子がスト乗っ取り?=PT勢力とダブルで攻撃

28日、ブラジリアの大統領府前で抗議運動をする人たち(Lula Marques/Liderança do PT na Câmara)

28日、ブラジリアの大統領府前で抗議運動をする人たち(Lula Marques/Liderança do PT na Câmara)

 混乱の続くトラック・ストは29日で9日目を迎えたが、ここに来て、スト参加者たちが「軍による政府介入」など、ストの争点と直接関係ない方向に脱線をはじめ、抗争が政治的な色合いを強めていると、28~29日付現地紙、サイトが報じている。

 28日、ブラジル・トラック運転手協会(ABCam)のジョゼ・ダ・フォンセカ・ロペス会長は、マスコミへの合同インタビューで「運転手たちがストを続けたがっているわけではない。その多くはもう職場に戻りたがっている。職場に戻れないのは、運転手の中に一部いる、軍による介入を望む過激な連中が脅して、運転手たちを動けなくしているからだ」と語った。
 スト参加の運転手の中にそうした軍事介入を求めるグループが存在することは、24日付のBBCブラジルのサイトで既に報じられている。それによると、組合員が使用しているワッツアップの中で、ある組合員が「今すぐ軍事介入だ。我々はこの国から不正を取り除くために前進するのみだ」と語ったビデオがシェアされている。
 それだけでなく、道路封鎖をしているトラックの中にも、ブラジル国旗の色を背景に「軍事介入」と書かれた横断幕を掲げているものがある。同じく、同ワッツアップ内からはその文字を入れた写真も次々と見つかっている。
 連邦政府も既にこの動きは察知しており、調査したところ、今回のトラック・ストには三つの政治団体のメンバーが多数、関わっているという。それらの団体名は「インテルヴェンソン・ミリタール・ジャー(即座の軍事介入)」や「フォーラ・テメル(テメル、出て行け)」、「ルーラ・リーヴリ(ルーラを釈放しろ)」だという。

サンパウロ市のスクールバスの抗議行動では軍事介入を呼びかける文字も

サンパウロ市のスクールバスの抗議行動では軍事介入を呼びかける文字も

 また28日、ブラジリアの大統領府の前で抗議運動を行う集団が現れたが、彼らも軍事介入を求めて叫んだ。参加者の中には極右大統領候補のジャイール・ボウソナロ氏の顔写真入りTシャツを着ている人もいた。
 軍隊出身のボウソナロ氏の支援者らは、軍事介入に代表される極右思想をネット上などで頻繁に口にしているが、当のボウソナロ氏は28日、「あくまでも民主的な解決を求め、軍事介入は望まない」と発言した。
 一方、テメル大統領は「ジウマ前大統領を罷免に追いやった人物」と見なされ、かねてから労働者党(PT)からの標的にされていた。PTは今や、同大統領を引きずりおろすことを望む最大勢力になっており、今回のスト期間中も、ゼネスト突入を呼びかけたりしていたという。
 また、違法とされる企業家のスト参加やスト支援(ロッカウテ)については、「うちの会社のトラックも全部ストに参加させろ」と指示した会社があるなど、いくつかの証拠が挙がっているといい、別の意味で政治的な色合いが強いストであることが明らかになった。

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