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二天古武道=25周年で第1回世界剣術大会=米大陸、欧州から約400人=団体戦は男女とも伯国勝利

白熱する試合

白熱する試合

 二天古武道研究所(岸川ジョージ代表)が20、21日の2日間、聖市内のパウリスタ歯科医協会(APCD)の体育館で『第1回世界剣術大会』を開催し、非日系選手が大半を占める8カ国405人の剣士たちが腕を競い合った。団体戦は男女ともに伯国が優勝、男子個人はジュベルト・ヴィエイラさん(伯)、女子個人はパウラ・シンチオーニ(亜)さんが1位に輝いた。

 21日、天真正伝香取神道流のセミナー後、開会式となった。日伯両国歌と研究所の歌を斉唱した後、岸川代表が開会挨拶で「25年前は伯国に侍文化を伝える団体ができるとは誰も信じなかった」と出席者、参加者らに感謝を述べ、「世界のベスト侍を決めよう」と選手らを鼓舞した。
 天真正伝香取神道流の演舞に加え、試し切り、火縄銃の実演も行なわれた後、前日の試合で選抜された3級以上の選手による男女別の個人戦、団体戦が行なわれた。
 二天一流は二刀流が本流で、ほとんどの選手が右手に大刀、左手に小刀を持つ。中には大刀のみ、小刀のみの選手もおり、混合で競い合った。三本勝負で面、胴、小手、突きのいずれかを決めれば一本となる。
 選手同士は睨み合って張り詰めた緊張感を漂わせる一方、観客席の人々はにぎやかに名前や出身国を叫んで、日本語で「ガンバッテー!」と大声援を送った。
 当日最後の試合となった男子団体戦の決勝では、伯チームと亜チームが向かい合った。客席では伯国側がウェーブを行い、試合場前に陣取った亜国側が太鼓に合わせて「アル、ジェン、チナ!」と大合唱し、応援合戦を繰り広げた。
 試合開始で応援の声はさらに盛り上がり、一本が決まるたび、歓声と拍手が館内に響き渡った。最後の組で伯国選手が鋭い突きを決め、伯国の勝利が決まると観客は歓喜の渦に包まれた。試合を終えた選手らは厳かに一礼し、互いを讃えあった。
 全試合終了後、個人戦入賞者らに剣の柄の形をしたメダルがはめ込まれた盾が授与され、メリッサ・オドレールさん、トーマス・スパノスさん(米)にファイト・スピリット(敢闘)賞が贈られた。記念撮影では研究所の歌が流され一同は肩を組み大合唱。何発ものクラッカーが鳴り響き紙吹雪が舞った。
 岸川代表に高い技術を認められ、ファイト・スピリット賞を受け取ったメリッサさん(16、亜)は二天一流をはじめて7年目。「多くの剣士と知り合い、良い経験になった。今後も技術、精神面を磨きたい」と語った。出場者のフェリペ・パイヴァさん(34)も「良い学びをえた。参加することに意義がある大会」と振り返った。
 同研究所は創立25周年を迎え、本大会はその記念事業の一つ。ブラジル日本移民110周年公式イベントでもあった。同研究所は現在伯、亜、チリ、ウルグアイ、コロンビア、メキシコ、米、ポルトガル、英国の8カ国に約70支部を持つ。
 大会の結果は以下の通り。(敬称略)【女子上級個人戦】1位=パウラ・シンチオーニ(亜)、2位=アナ・ルシア・ピエリ(聖)、3位=マリナ・サイエヴァ(亜)【男子上級個人】1位=ジュベルト・ヴィエイラ(聖)、2位=ロナルド・コスタ(リオ)、3位=アレシャンドレ・ヴァス(リオ)
 【女子団体戦】伯、伯、亜【男子団体戦】伯、亜、伯


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 「武道」といえば厳かに粛々と行われるイメージ。しかし、岸川代表の二天一流古武道研究所の世界剣術大会は、準々決勝あたりになると会場は興奮の坩堝。ボクシングのように小刻みにステップを踏み、相手と睨み合いながら雄叫びをあげる選手も。応援は大盛り上がりで、大会運営の関係者も観客に応援を煽るなど、みんなで試合を楽しんでいる様子が窺えた。その反対に、開会式や閉会式では微動だにせず来賓らの話を傾聴していた。このメリハリも同研究所の魅力の一つか?
     ◎
 女子個人戦では面と胴の間の隙間に相手の突きが入ってしまい、選手が苦しそうな様子を見せた場面も。突きを入れられた選手はすぐに試合を再開し、見事勝利を収めていたが、試合終了後に防具の確認を促すアナウンスが流された。その後の試合では審判が2回も試合を止め、選手に防具の点検をさせる場面も。スポーツ化されているとはいえ、元々は侍同士の生死を決していた古武術。戦いの緊張感を今も漂わせる場面だった。

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