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サンパウロFC=次期大統領めぐり見解真っ二つ=嘆くかつての名選手と、喜ぶ現役選手

ライーが嘆いたと報じるゴール・サイトの記事の一部

ライーが嘆いたと報じるゴール・サイトの記事の一部

 極右のジャイール・ボウソナロ氏が大統領選に当選したことは、ブラジル社会を二分する出来事になっているが、それはサッカーの名門、サンパウロFCでも同様だ。
 サンパウロFCが全盛期だった90年代前半の立役者で、94年W杯のブラジル代表(セレソン)優勝メンバー、現在はサンパウロFCのテクニカル・ディレクターをつとめるライーは、ボウソナロ氏の当選を「悲しく、腹立たしいことだ。あんなバカバカしく嫌悪に満ちた人物が大統領になるなんて」とフランスのサッカー誌「レキップ」誌に語っている。
 ライーの実兄は、あの82年W杯の「黄金カルテット」のひとり、ソクラテスだ。彼は軍政末期に民主運動「ジレッタス・ジャー」をサッカー界で盛り上げたひとり。その精神はライーに受け継がれている。
 ライーはさらに、「何人かの知人を説得してボウソナロ氏に投票させるのをやめさせた。でも、僕の力だけでは十分じゃなかった。今回の選挙の場合、対抗の労働者党でさえ、他の左翼勢力を満足に説得できなかったのだから」と悲しんだ。
 ライーは「国民の何かを変えたい気持ちはわかる」としながらも、「でも、結局は、教育、とりわけ政治教育の不足が招いたことなんだと思う」と分析した。
 だが4日、そのライーに反旗を翻す出来事が起こった。本拠地のモルンビ・スタジアムで行われた対フラメンゴ戦で、ゴールを決めたサンパウロのエース、ジエゴ・ソウザが、その瞬間、敬礼と指で銃を撃つポーズを決めたのだ。敬礼は軍出身のボウソナロ氏への敬意で、銃ポーズは銃の自由化を訴えるボウソナロ氏のキャンペーンのトレードマークだ。
 ソウザは、ネット上でもボウソナロ氏を「俺のキャプテン」と呼ぶほど信奉しており、この試合のインタビューでも「政治の信条は人それぞれ。自分の意思も尊重してほしい」と、ライーに対する反論ともとれる発言も行った。
 ライーは先のインタビューで、「国民がボウソナロ氏が話すような、受け入れがたい偏見に満ちた言動に影響されないことを望むよ」とも語っている。(10月31日付ゴール・サイト、11月4日付グローボエスポルテなどより)

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