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《ブラジル》校内暴力の発生率、34カ国中1位=「組織的対処法整備に不備」=他生徒の学習環境にも悪影響

教師は過酷な環境下に置かれている(参考画像・Ag. Brasil)

教師は過酷な環境下に置かれている(参考画像・Ag. Brasil)

 国際経済協力開発機構(OECD)の調べによると、ブラジルでは教師に対する心理的なものも含めた暴力が調査対象の34カ国中1番多かったと、26日付現地紙が報じた。
 2013年に行われた調査では、11歳から16歳までの生徒を対象とする学校に勤める教師、校長、教務主任など、34カ国10万人以上にアンケートを行った。
 「1週間に1度以上の頻度で、生徒たちによる言葉による攻撃、または尊厳を傷つけられるような行為の被害に遭っている」と答えたブラジル人教師や教育関係者は12・5%いた。
 34カ国の平均は3・4%で、ブラジルの次には、エストニア(11%)、オーストラリア(9・7%)が続いた。
 教師たちが直面している困難は、生徒からの身体的暴力、精神的暴力だけにとどまらない。リオ州を例に挙げれば、学校周辺で銃撃戦が起こるような地域もあるし、教師を脅すような生徒や“モンスター・ペアレンツ(学校に理不尽な要求をする親)”も存在する。
 専門家が調査機関、DWブラジルに語ったところによると、「校内暴力を抑制したり、教師の労働環境を整えるための法が整備されていないことが根本的な問題。組織的対処法が定められていないため、学校や教師もその場しのぎの対応にならざるを得なくなっている」という。
 カンピーナス総合大学のテルマ・ヴィーニャ教授は、「身体的暴力には本当に深刻なケースも含まれ、認めがたいが、はたで言われるほど頻繁ではない。アンケートでいう暴力には言葉による暴力も含まれているが、軽口で言われた程度の暴言と身体的な暴力を同じカテゴリーに入れるのは無理がある」としている。
 教師に暴行する生徒のプロフィールはよく似ている。同教授は、17年8月にサンタカタリーナ州で女性教師への暴力事件を起こした15歳の男子生徒が、家庭環境も劣悪で、薬物使用歴もあったし、学友への暴行で処分を受け、薬も服用していたことを挙げた。「学校側が生徒のことを充分に把握していたら、対処法も考えられたはず」と語っている。
 ラ米社会科学大学(Flasco)所属の社会学者ミリアン・アブラモヴァイ氏は、「精神的にまだ不安定な生徒とどう向かい合うべきかについては充分に見直されておらず、教育機関側の準備が足りない」と語る。
 Flascoは、青少年に関する問題を扱う専門家や教師向けに、青少年期の特徴や問題点、校内暴力、性への目覚め、薬物の誘惑と罠などの知識を深めるためのオンラインコースを開設した。
 アブラモヴァイ氏は、「校内暴力は被害者の教師だけが苦痛を受けて終わる問題ではなく、成績低下や留年、退学などを誘発。学校や生徒全体に影響を及ぼすし、校内の雰囲気は各校の教育の質や学習環境、人として成熟するための環境にも影響する」と語っている。

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