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《ブラジル》ロック・イン・リオ2019前半のハイライト=ドレイクのトラブルから大統領批判コールまで

 9月27日から、リオ市のシダーデ・デ・ロックで、通算8回目となるロック・イン・リオが開催されている。連日、10万人の観客を沸かせて話題を呼んでいるが、その最初の週末、9月27~29日のハイライトを振り返ってみる。
 初日は、トリを務めたカナダのラッパー、ドレイクの行動が物議を醸した。彼はこの日、同フェスティバル開始以来、恒例となっているテレビでの生中継と写真撮影を一切禁じたが、これがマスコミとテレビ視聴者を怒らせた。
 少なくとも、2011年の隔年開催開始以来、テレビ中継を禁止したトリのアーティストはひとりもいなかったが、ドレイクはこの判断を、自分の出番のわずか数時間前に一方的に決定。放送先のムウチショウ局は放送するものを急に失い、今回のロック・イン・リオには出ていない女性歌手リアーナのコンサート・ビデオを急きょ流すなど異例の対応に追われた。
 ドレイクはツイッターで、「雨がひどかったので、ちゃんとしたものを届ける自信がなかった」と弁解したが、これに対し、ロック・イン・リオの放送ディレクターのひとりが、「嘘を言うな。前の日に不機嫌で自分の照明担当を首にしたからだろ。雨が降っていないときにキャンセルも決めたじゃないか」と書き込んだ。
 舞台裏の真相は複数のメディアで報じられ、さらには、「ホテルではブラジル食に手をつけず、専用で連れてきたシェフのメニューだけを食べていた」「帰りの空港ではファンに対応せず、罵声を浴びせられていた」などの報道が、実際の動画つきで報道されるなど、過熱していた。
 2日目は、地元リオ市のバンド、デトナウタスの行動が話題を呼んだ。ヴォーカルのチコ・サンタクルスが、「ブラジルは今、不寛容と嫌悪の世の中を生きている。手を挙げて、ポジティヴなエネルギーを一緒に送ろうぜ」と言った後、「くそでもくらえ、ボウソナロ!」と、10万人の大観衆と共に、大統領批判コールを送ったのだ。このコールは、今年のリオのカーニバルではじまり、サンパウロのロック・フェス、ロラパルーザでも起こったが、ロック・イン・リオでも例外ではなかった。
 また、メイン・ステージでは、米国のバンド、ウィーザーが、90年代にロック史を変えた伝説のバンド、ニルヴァーナの曲「リチウム」をカバー。その次に登場したフー・ファイターズのステージで、元ニルヴァーナのドラマーで、現在は同バンドのヴォーカルに転じて人気のデイヴ・グロールが、1993年にニルヴァーナではじめてサンパウロのフェスティバルに来た思い出を話した後、「今日、ウィーザーがあの曲をカバーしてくれて本当に感謝している。俺、楽屋で泣いたんだ」と言って、観客を沸かせた。
 ニルヴァーナは1994年にヴォーカルのカート・コベインの自殺で幕を閉じたことも観客にはおなじみであり、「胸を打つコメント」として世界に報じられた。
 3日目で話題を呼んだのはイベッチ・サンガーロとボン・ジョヴィだった。モダンなサンバ「アシェー」の歌姫として国際的に知られるイベッチのロック・イン・リオへの参加は、「ロックの名にふさわしくない」との不評も買っていたが、それでも、ここのところ毎回出演している彼女は、躍動的なリズムと抜群の歌唱力で大観衆を沸かせ、大いに評価された。
 また、トリを務めたのは6年ぶりの出演となったボン・ジョヴィ。80年代には「世界一のロック・アイドル」だったヴォーカルのジョン・ボン・ジョヴィは、50代になった現在でも女性客には抜群の人気だった。
 2013年にもステージにファンの女性をあげ、抱きしめながらラブ・バラードを披露して話題となったが、今回も代表曲「ベッド・オブ・ローゼス」でそれを再現。最後は女性の口にキスをしたことで、客席には祝福と嫉妬の大歓声が沸き起こっていた。
 ロック・イン・リオは3日から6日の4日間で第2陣の登場となる。(9月28日付UOLサイト、同フォーリャ紙サイト、9月29日付エスタード紙サイトより)

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