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日系農業功労者4人を顕彰=第49回山本喜誉司賞授与式=祖先への感謝の気持ち込め

(左から)受賞した北島さん、関田さん、大谷さん、斎藤さん

 日系人農業従事者の中から農業に大きく貢献した人を顕彰する「第49回山本喜誉司賞授与式」が、8日午後7時から文協貴賓室で行われた。受賞者は次の4氏。植物病理学におけるウイルス研究者でブラジルに科学的知識を普及させた北島英理雄さん(83、サンパウロ州レジストロ市出身、サンパウロ州ピラシカーバ市在住)。セラード地帯での農作物栽培技術を開発してブラジル農業の発展に寄与した関田民雄さん(71、パラナ州コルネリオ・プロコピオ市出身、ミナス州サンゴタルド市在住)。スイカとメロンの栽培・品種改良に尽力した大谷正敏さん(71、愛知県出身、リオグランデ・ド・ノルテ州モソロー市在住)。日本でネギの一大生産者として日本の日系ブラジル人地位向上に貢献した斎藤ワルテル俊男さん(52、パラナ州テーラ・ボア市出身、埼玉県在住)だ。

 開会のあいさつで、長井邦弘実行委員長は4氏の功績を紹介。続いて石川レナト文協会長の代理で山下譲二文協副会長が、「皆様方が培った知識や技術をもって、これからも若き世代をご指導下さいますことを心よりお願い申し上げます」と祝辞を述べた。
 中野直樹副領事は野口泰在サンパウロ総領事の祝辞を代読し、「ブラジルは、世界有数の農業大国であり、日本の食料安全保障においても重要な国になりました。日本とブラジルは互いに欠かせない重要なパートナーにさせたものと確信しております」と述べた。
 授与式で4氏が共通して口にした言葉が、「感謝」や「祖先」。感謝の気持ちをベースとして生きてきたことが農業での功績にもつながったと強調した。
 今回、若手で異色の受賞者となったのが斎藤さん。ブラジルで体育教師の勉強をした斎藤さんが日本へデカセギで渡ったのが22歳の時。その5年後には株式会社TSを設立し、人材派遣業を開始。様々な困難に遭いながらも事業は成長していたが、リーマンショックで危機を迎えた。
 多くの従業員を抱え、どう解決するか頭を悩ませていた時、放置された広い農地を見かけ、野菜生産を思いついた。斎藤さんの名を日本中にとどろかせることになったのが深谷ネギだった。「ブラジルでは農業に従事していない家庭環境で育ったが、多くの協力者の知恵を借りて成長することができた」と感謝した。
 川合昭県連第一副会長は、「ブラジルは農業大国。米国の生産高は横ばいだが、ブラジルは右肩上がりでまだまだ未来がある。そして21世紀の地球の大きな課題は食糧問題。2050年には確実に食糧危機が来るとも言われる中、ブラジルの農業とそこに貢献している日系人が今後も世界で果たしていく役割は大きい」と語った。


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 第49回山本喜誉司賞授与式で受賞した斎藤ワルテル俊男さんは埼玉県在住。株式会社TSの会長で、埼玉親善大使や在日ブラジル商業会議所の評議員などを務め、教育分野を中心に様々なボランティアにも力を入れている。これまでも日本で人々に勇気を与える成功物語がドキュメンタリー番組で紹介されたことがあるが、現在は斎藤さんをモデルにしたテレビドラマも制作中だとか。来年には日本でオンエアされる予定とのこと。

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