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コロニア10大ニュース=1位はアマゾン移住90周年=平成から令和へ日系社会も祝賀

 今年の日系社会で大きな節目だったのは、アマゾン日本人移住90周年だ。現地からの声を、今年後半、本紙ではできる限り紙面に掲載した。9位にある通り、県人会や各日系団体の周年行事も多かった。6位の「日本語教育推進法」は新年から実施され、その効果の程がいよいよ判明する。母県から助けてもらうばかりでなく、時には支援するという意味で、7位の首里城再建寄付は重要だ。とはいえ良いことばかりではなく、喉の奥の棘のように5位の韓国文化院の展示問題も起きてしまった。だが2位と3位である「御代替わり」には、日系社会も積極的に祝賀し、その様子は日本のメディアでも大きく報じられ、存在感を示せた年だった。

第1位=アマゾン日本人移住90周年

乾杯の音頭を取った第1回目アマゾン移民の山田元さん

 今年の日系社会で最も大きな出来事は、アマゾン日本人移住90周年だ。今年9月13~15日に、パラー州トメアスー、ベレン、アマゾナス州マナウスにおいて、3日間連続で盛大に記念式典が開催された。
 トメアスー式典は、二世を中心とした祭典実行委員会が開催。第1回アマゾン移民で現在も同地に住む山田元さんを始め、同地で活躍した多くの一世が表彰を受けた。
 ベレンでは、豪華絢爛な平和劇場で開催され、ヘルデル・バルバーリョ州知事も出席。日本政府や祭典実行委員会による表彰の他、パラー州政府から9人が叙勲を受けた。
 マナウスでは、歴史ある優雅なアマゾナス劇場で開催された。サンパウロ市からは文協コーラス部ら約50人が特別に駆けつけ、美声を披露した。“アマゾン開拓の父”上塚司の孫、芳郎さんも来伯し、式典後も夕食会で節目の年を盛大に祝った。
 今回も県連ふるさと巡り一行約180人が全ての式典に出席した。
 90周年の準備と本番の様子は、本紙でも連載『アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に』(有馬亜季子記者)全17回、連載『90周年に沸く「緑の天国」』(同記者)全23回で詳しく報じた。

第2位=「令和」の御世到来を祝賀

「『即位礼正殿の儀』奉祝晩餐会」にて、万歳三唱で日伯両国旗を揚げる出席者ら

 5月1日、皇太子徳仁親王殿下は第126代天皇にご即位され、新元号「令和」に改元となった。約200年ぶりに譲位により皇位を継承した新天皇陛下。ブラジル日系社会でも令和の御世到来を盛大に祝した。
 ブラジルでは、主要日系5団体が「新天皇ご即位・新元号『令和』祝賀晩餐会」を4月30日夜(日本時間5月1日)、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会ビルで開催。日系団体関係者、駐在員ら約200人が出席し、日伯のメディアもこれを報じた。
 10月22日にも、日本で同日行われた「即位礼正殿の儀」を受け、奉祝晩餐会をサンパウロ市のクルベ・シルクロ・ミリタル・デ・サンパウロで開いた。全伯から約800人が集まり、日本の儀式の映像もNHKから特別に提供され、日系社会が一丸となって祝福した。
 新天皇陛下はこれまで3度も来伯され、ブラジル日系社会とも縁が深い。令和も日伯の絆を一層深める時代となることに、期待が高まっている。

第3位=平成の天皇陛下御即位30年

 平成の天皇陛下は今年、御在位30年を迎え、4月10日に「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」が東京で挙行された。驚いたことに、その壇上に招待された一人が、サンパウロ市在住でエタッパ高校2年生の宮﨑真優さん(16、五世、大志万学院卒業生)だった。
 安倍晋三首相や映画監督の北野武氏など錚々たる面々が祝辞を述べた後に、彼女は祝辞を述べた。原稿も見ずに堂々とスピーチし、国内外に感動を与えた。それを報じた本紙サイトの記事には「いいね」が2500以上も押された。
 さらにブラジル日本移民史料館の9階では、御在位30年特別展が開催され、両陛下のブラジルご訪問が写真パネルで展示された。
 史料館は、78年6月18日の移民の日に皇太子同妃両殿下(当時、現上皇・上皇后両陛下)のご臨席のもとで開館。移民百周年の08年には、当時進められていたアーカイブ・プロジェクトに対して御下賜金が下賜された経緯がある。

第4位=日本人歌手が続々来伯!

三山ひろしと高知県人会の青年部の踊りが披露した「よさこい鳴子踊り」

 今年は日本の歌手の来伯公演が特別に多い年だった。
 移民の日に合わせ、6月16日に行われた演歌歌手・三山ひろしのコンサートには、2回公演とも文協大講堂を埋め尽くす2400人が来場。特技のけん玉の披露や「よさこい鳴子踊り」を高知県人会の青年部の踊りと共に歌い盛り上がりを見せた。
 8月3、4日の聖市おきなわ祭りでは、バンド「ザ・ブーム」のボーカリストとして有名な宮沢和史が特別出演。日系社会でも愛唱されている『島唄』や『風になりたい』、沖縄民謡など8曲を熱唱した。
 10月6日には、北島三郎の弟子である北山たけしが単独公演を行った。2千人が文協大講堂を訪れ、津軽三味線の演奏と合わせた歌を披露。さらに華麗な剣舞や尺八、大太鼓などの演奏で会場を沸かせた。
 11月8日には、沖縄県うるま市出身のバンド・HYが初来伯。20代、30代を中心とした若者や沖縄県所縁の高齢者が公演に訪れ、会場一体となり歌って踊る特別なショーとなった。

第5位=韓国文化院で竹島問題展示

『独島(竹島の韓国名)は韓国の領土である』と記載されている展示

 日韓関係が緊迫する年だっただけに、今年8月4日にサンパウロ市パウリスタ大通りに移設オープンした、韓国の現代文化を発信する広報施設「韓国文化院」の動きは日系社会の注目を集めた。
 特に日系社会に激震が走ったのは、今年後半の10月に「竹島は韓国の領土」という内容が展示されたことだ。2つのパネルと1つの映像で構成され、竹島が韓国の領土であることはポ語で強調されている。
 これに在サンパウロ日本国総領事館の楠彰首席領事は、「韓国文化院と韓国総領事館に抗議した」と対応、今後も断固として反対する方針だ。
 読者から反響も大きかった他、日本の新聞でも報道され、更に韓国のテレビや当地の韓国コミュニティ紙でもこのニュースは取り上げられた。

第6位=日本語教育推進法案が成立

日本語教師意見交換会の様子

 日本国内で暮らす外国人を主な対象として日本語教育を推進するための『日本語教育推進法』が、6月21日に日本の国会で成立した。
 この法案のために、ブラジル日本語センターの日下野良武理事長は昨年から3回訪日し、関係者に根回しを行った。その結果、この法案には海外日系社会の日本語教育支援も盛り込まれ、今後の日本政府の支援が期待されている。
 この法案成立に先立ち、同センターに日本語教育関係者らが集まり、意見交換会を行っていた。日本語教師育成の資金援助や安い給料の改善、専門家の派遣など、幅広い要望が集まった。
 法案施行後、ブラジルの日本語業界にも大きな好影響が期待される。

第7位=首里城再建に募金開始

豪華絢爛な第2部のフィナーレ

 日本時間の10月31日未明に、沖縄県那覇市では大規模火災により首里城が焼失した。世界中のウチナーンチュが悲痛な叫びを上げる中、ブラジル沖縄県人会は翌日から義援金集めの検討を始めた。
 12月8日には、再建への寄付を呼びかける芸能イベント「ちばりよーうちなー ~皆で首里城の再建を~」を開催。来場者は約700人、約300人の演者が参加した。
 第2部では、ブラジル琉球舞踊玉城流扇寿会代表の斉藤悟さんが作り上げた、首里城をテーマとした創作歌舞劇を上演。寄付金は入場料だけで約5万レアルとなり、日系社会屈指のマンモス県人会の底力を見せた。寄付は来年2月10日まで受け付けている。

第8位=アメリカ杯、若き侍躍動!

チリ戦で熱い声援を送った日本代表サポーター

 サッカー南米選手権(コパ・アメリカ)が6、7月に伯国で開催され、地元ブラジルが優勝した。日本代表も招待国枠で参戦し、若き「サムライ」が大健闘を見せた。
 日本代表はチリには大敗ながらも強豪ウルグアイ、エクアドルと引き分け、決勝トーナメント進出こそかなわなかったが一定の力を示した。
 日本からも代表チームサポーターがスタジアムに駆け付けたほか、聖市のジャパン・ハウスでもパブリックビューイング(試合生中継応援イベント)を開催。日系人、ブラジル人も青のユニフォームに身を包み、試合展開に一喜一憂、ピッチの選手に熱い声援を送った。
 スペインの名門クラブ、レアル・マドリードへの移籍が決まり、注目を集める久保建英選手(くぼ・たけふさ)らが奮戦を見せた若き日本代表。来年の東京オリンピック・パラリンピックでの活躍に期待が高まるとともに、日伯対決も見たいところだ。

第9位=多数の日系団体が節目

節目を祝い、母県からも副知事らを迎えた北海道協会

 今年はサンパウロ日伯援護協会(与儀上原昭雄会長)の創立60周年、ブラジル北海道文化福祉協会(大沼宣信会長)の道人移住100周年・協会創立80周年など、多くの日系団体が節目を迎えた一年だった。
 他にサンタクルス病院(石川レナト理事長)が開院80周年、ブラジル宮崎県人会(竹下達也会長)が創立70周年、ブラジル和歌山県人会(谷口ジョゼー眞一郎会長)と在ブラジル青森県人会(名和渋川幸子マリア会長)が創立65周年、在ブラジル長野県人会(篠原オラシオ裕之会長)が創立60周年、大阪市とサンパウロ市の姉妹都市協定締結50周年も。
 さらに曹洞宗両大本山南米別院佛心寺(采川道昭住職)が同寺の創立及び南アメリカ国際布教総監部開設60周年、世界救世教ブラジル宣教本部(宮道マルコ・レゼンデ本部長)も宣教本部竣工50周年を迎えた。
 節目を盛大に祝うことで団体内の士気を高めるとともに、日本から慶祝団を迎え、日伯交流の深化につながる機会にもなる。今回節目を迎えた団体が、今後一層発展することを願うばかり。

第10位=JRパス問題が再燃

JRパス(提供 fletcherjcm, 2010(flickr))

 来年末をもって海外在住日本国籍者が利用できなくなることで、問題が再燃している「ジャパン・レール・パス(以下、JRパス)」。2017年に世界の在外邦人の切実な願いが届き、一度は期限が延長された。だがその期限が来年末に迫り、日系社会から批判の声が高まっている。
 現在の利用資格はJRグループによれば「日本国の旅券及び『在留期間が10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等』を有する方」だが、21年からは「日本に短期滞在する外国人の方」に限定されている。
 サンパウロ市在住者からは、「夫婦で国籍が違うから困る」、「日本は観光業を振興しているのに、在外永住者が利用できないのは何故か」などの意見が上がっており、今後も抗議の声が上がると予想されている。

番外編=平野運平胸像、再設置後また盗まれる

台座のみが残された平野像跡(11月13日撮影)

 サンパウロ市カンブシ区エスタード大通り沿いの平野運平広場に建てられた同氏胸像が、「再び」盗難に遭った。
 広場の平野像は、平野植民地入植60周年(1975年)を記念して建立。しかし昨年10月に盗まれていたことが分かった。
 平野農村文化体育協会(山下薫ファビオ会長)とブラジル静岡県人会(原永門会長)は平野像の再設置に乗り出し、今年6月に平野氏の没後100年を記念し、再び広場に設置。6月2日の除幕式には、平野植民地周辺の在住者もバスを借り切って駆けつけ、約90人で盛大に祝った。
 それが11月に入り、再び盗まれていることが判明した。

再設置された当時の平野像(6月2日撮影)

 平野氏は通訳5人男の一人として渡伯。笠戸丸移民62家族232人を引率してグァタパラ耕地で働き、コーヒー農園の賃労働では目標の稼ぎを得られないとし、日本人移住の初期に植民地開拓に乗り出した。日本移民の基礎を築いた人物の像が、再三にわたり盗まれたことに、平野植民地関係者らを中心に、悲しみの声が寄せられている。

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