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コリンチャンスがユダヤ系国民にオマージュ 文化局長のナチス発言を受け

 17日、サンパウロの名門サッカー・クラブ、コリンチャンスが、16日の夜にナチス・ドイツの宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスの言動を模倣し、物議をかもした文化局長ロベルト・アルヴィム氏の発言を受け、ブラジルのユダヤ系国民に捧げる声明を発表した。

 アルヴィム氏は16日に投稿した動画で、ナチスの音楽の象徴でもあったワーグナーのオペラの中の曲をバックに、ゲッベルス氏が実際に行った発言に沿うようにして、芸術は国家や国民に奉仕すべきであるかの発言を行い、ブラジル全土に衝撃を与えた。

 ゲッベルス氏は反ユダヤ主義で知られた人物であったため、ユダヤ人協会も抗議声明を出した。一方、サッカー・クラブのコリンチャンスもアルヴィム氏の発言に不快感を示すと同時に、ユダヤ人に敬意を払うコメントを行った。

 コリンチャンスは公式ツイッター・サイトに「すべてのユダヤ人の兄弟姉妹が平和な安息日を過ごすことができますように」と書き記し、続けて「ナチズモ・ヌンカ・マイス(ナチズムを2度と許すな)」のハッシュタグを据えた。

 コリンチャンスは軍事政権下の80年代も、ソクラテスらを中心として、軍政終焉を叫び、国民による大統領の直接選挙復活を呼びかけた「ジレッタス・ジャー」運動に積極的に参加しており、民主主義を強く訴えるクラブとして知られている。(17日付レヴィスタ・フォールムより)

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