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《ブラジル》コロナウイルスの判定訓練=2日間で9カ国の代表10人に

新型コロナウイルスの研究を行う研究員(Divulgação/Josué Damacena (IO))

 リオ市にあるオズワルド・クルス財団(Fiovruz)研究所で6~7日の2日間、新型コロナウイルスに感染しているか否かの判定を行うための訓練が行われた。

 中南米の9カ国10人の代表への訓練は、ブラジル保健省と汎米保健機構(Opas)が提携して開催。各国・地域の保健医療の担当者がウイルスに感染しているか否かの判定力を高める事を目的に行われた。

 同財団のニジア・トリンダーデ会長は、「ウイルスには国境はない。国際的な緊急事態が発生しているのだから、国際的な協力関係の中で準備を行うべき」と語った。

 訓練への参加者は、アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、チリ、エクアドル、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイの代表者達だ。期間中は、新型コロナウイルスに感染した場合の症状や予防策などを学び、問診などを通して診断を下すためのワークショップも行った。

 保健省感染予防局長のヴァンデルソン・オリヴェイラ氏は、「ブラジルは中国との直行便もないから、国内で感染が起きるリスクは少ないが、ウイルスが蔓延するような事態を避けるために訓練を行っている」と説明している。

 同局長によると、ブラジルは夏で、気管支系疾患が起こりにくい時期である事や、中国政府が厳格なウイルス抑制策を導入して感染を拡大しにくくさせている事なども、ブラジルの感染リスクは低いと評価されている原因だという。ブラジルではカーニバルのように多くの人が集まるイベントがあるものの、中国の旧正月に近いから、中国人観光客が来る可能性は余りない。

 オズワルド・クルス財団は1月30日に、アメリカ大陸にある主要研究施設の一つとして、新型コロナウイルスへの感染の有無を判定するテストの精度を上げるためのウイルスのサンプルを受け取っている。

 新型コロナウイルスに感染した場合の主な症状は、発熱、咳、息苦しさだ。感染ルートはウイルスに感染した動物や人との接触で、潜伏期間は2~14日。予防接種はないため、症状が出ている人との接触を避ける、手洗いを励行する、食べ物には良く火を通す、動物や動物の肉や卵などには安易に触れないなどの注意が呼びかけられている。(7日付アジェンシア・ブラジルより)

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