ホーム | ブラジル国内ニュース | コロナウイルス=サンパウロ州の死者9人、全国の死者は11人に=当局への事前報告ない例相次ぐ=プロトコル変更の契機に=感染者数は819人に上昇

コロナウイルス=サンパウロ州の死者9人、全国の死者は11人に=当局への事前報告ない例相次ぐ=プロトコル変更の契機に=感染者数は819人に上昇

サンクタ・マジオーレ病院(公式サイトより)

 サンパウロ州保健局が20日午後、同州で新たに4人の死者が確認され、新型コロナウイルスによる州内の死者総数が9人となったと発表した。新型コロナウイルスに関しては、19日までに確認されたサンパウロ州の死者5人がサンパウロ市のサンクタ・マジオーレ病院の患者だったことや、感染経路が確定不能なコミュニティ感染の発生が明らかになったことで、コロナに関する医療機関の対応などについて定めたプロトコルが、「少しでも症状が見られる場合は、コロナの擬似症患者とみなす」という内容に変更されたと、19、20日付現地紙、サイトが報じている。

 20日に発表された4人の死者は、70歳、80歳、93歳の男性と83歳の女性だ。午後4時半現在の報道では、入院していた病院名などは明らかになっていないが、州保健局は、同州の感染確認者は、19日の286人から345人に急増し、擬似症患者も9023人と発表した。感染者の中には、他州在住者4人と外国人4人が含まれているという。
 サンクタ・マジオーレ病院は高齢者専門の医療プランを運営する「プレヴェント・セニオール」が経営する病院だ。同名の病院はサンパウロ市内に複数あるが、5人が入院していたのは、サンパウロ市南部のパライゾ地区にある病院だった。
 ブラジルでの最初の死者は、同病院に14日に入院し、16日に亡くなった62歳の男性、マノエル・メシア・フレイタスさんだ。マノエルさんがコロナウイルスに感染していたことを示す検査結果は、17日の朝、判明し、州保健局に報告されたが、マノエルさんのことはこの時点まで、州保健局の統計に反映されていなかった。
 マノエルさんの場合、家族が本当の死因を知ったのは葬式のときだったという。マノエルさんの母親(83)も体調を崩して病院にいったが、トモグラフィー検査を受けただけで自宅に帰され、自宅療養を行っている。また、マノエルさんの父親(83)と弟(61)、妹(60)もコロナ感染と見られる症状で入院している。父親はサンクタ・マジオーレ病院、兄弟2人は公務員病院の集中治療室(UTI)で入院中だ。3人がコロナウイルスに感染しているかを調べるための検査の結果は、まだ出ていない。
 マノエルさんの死因が判明したことで、サンクタ・マジオーレ病院は同病院内でのコロナウイルスの感染状況を州保健局に報告していなかったことがわかったが、同病院の対応は、保健省が定めたプロトコルが実情と合わなくなっていたことも露呈した。
 サンクタ・マジオーレ病院によると、マノエルさんの場合は外国への渡航歴がなく、感染者との接触もなかったため、州保健局への報告を行わず、親類の隔離もや検査も行っていなかったという。
 コロナウイルスに関するプロトコルは、「流行している国や地域に渡航していた」「感染が疑われる人と接触した」となっていたが、この基準は、「輸入型感染」や初期の「域内感染」の場合にしか通用しない。マノエルさんの場合も含め、最近は、感染経路がわからない、「コミュニティ感染」が急速に増えており、従来のプロトコロでは対応できなくなっていたが、保健省の基準が改定されていなかったために、統計には出てこないままで死亡する例や、家族や親族も検査さえ受けていないという状態が発生してしまったといえる。
 プロトコロに合わないまま、報告さえされずに亡くなった例はマノエルさんだけではなく、リオ州で死亡が確認された患者も統計には入っていなかったという。
 保健省は19日、プロトコルを、「新型コロナウイルス感染症と思われる症状が出ている場合は、コロナの擬似症患者とみなす」という内容に改定。全国の病院や各州の保健局に徹底させ、擬似症患者と接触した人にも隔離を勧めることにした。ただ、「感染の有無を調べるテスト」に関しては、まだ「深刻な症状の人に限る」としている。
 保健省の数字は20日午後5時半現在も、感染者は前日の621人のまま、死者は7人に修正されたが、各州保健局の集計によると、感染確認者は819人に急増している。

image_print

こちらの記事もどうぞ