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《ブラジル》コロナ禍=検査能力追い付かず、結果待ち3週間も=焦る現場、感染者5717人、死者201人

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大の実態把握に不可欠な検査数が分析能力を超え、結果が出るまで3週間という例も出ている。医療現場では、医師や看護婦らへの感染も拡大中と3月30、31日付現地紙、サイトが報じた。
 検査能力が超えた端的な例は最初の感染者と最初の死者が出たサンパウロ州で、3月30日現在の感染者は1517人、死者は113人だが、検査結果が速やかに出ていれば、この数字は更に増える。
 同州のアドルフォ・ルッツ研究所は先週までの対応数(1日400件)を1千件に増やしたが、1日に届くサンプルは1200件で、1万4千件が分析待ちだ。
 感染の有無を知る事は診断確定や治療法を決めるのに不可欠で、感染者と接触した人には隔離を勧める必要もある。検査を必要とする人が増え、結果が出るまでの期間は延びる一方だ。中には、集中治療室に入院中の80歳の女性の検査結果が2週間経っても出ないとか、居住区の公立病院で検査を受けたが、3週間以上経っても結果待ちという例もある。
 現場の苦闘はそれだけではない。サンパウロ市のイスラエリタ・アルベルト・アインシュタイン病院とシリオ・リバネス病院が3月30日に発表した数字によると、コロナに感染した医師や看護婦、職員らは456人に上る。中には既に回復して復職した人もいるが、入院中の人もいるという。
 同様の事態はサンパウロ市のクリニカス病院などでも起きている。サンパウロ州公務員組合によると、サンパウロ州内の公立医療機関では3月1~28日に感染または感染の疑いで職場を離れた人が1080人いる。
 また、サンパウロ州の死者の半数以上が出たサンタ・マジオレ病院と初期の死者の一人が出たサンタカタリーナ病院は、死者が出るまで州保健局への感染情報の報告がなされていなかったため、州検察局が、職務怠慢にあたるか否かを調べ始めた。
 保健省によると、新型コロナ感染症の最初の感染者が確認された2月26日から3月半ばまでに重度の風邪(呼吸器系疾患)で入院した人は5787人で、昨年同期より445%多い。内355人はコロナ感染者だ。
 他方、統一保健医療システム(SUS)は、新型コロナ、デング熱、インフルエンザが同時に流行する事態を想定、準備中だ。3月21日現在のデング熱患者は44万1220人(死者88人)で、昨年同期の27万3190人や18年同期の7万1520人を大幅に上回っている上、88人の死者も出ている。
 3月31日午後4時の保健省発表によるコロナ感染者は5717人、死者は18州201人だ。

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