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《ブラジル》アマゾナス州マナウス市=公立病院の収容能力限界に=コロナ感染拡大で医療崩壊へ

医療崩壊を防ぐ鍵は感染拡大の抑制である事を示すカーブ(6日の保健省の感染報告にて、Anderson Riedel/PR)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進み、保健省が4日に感染爆発が懸念されるとした5州の一つ、アマゾナス州で、医療崩壊が起き始めたと6日付現地サイトが報じた。
 事態がより深刻な州都マナウスではアルトゥール・ヴィジリオ・ネット市長(民主社会党)が6日、公立病院の病床は満杯で、これ以上のコロナの感染者受け入れは出来ない事を認めた。同市最大の州立デウフィナ・アジス病院は過密状態で、解決方法さえみつからない状態だという。
 一方、同州保健局は、同病院の収容率は95%で、現状はまだ満杯ではないという。ただし、数日中にこれ以上患者を受け入れられない状態になる可能性は認めた。
 州政府は1年前、現状緩和のために400床の病院を借りたが、改修工事が遅れていた。集中治療室25床に心拍数などなどをチェックするモニターや人工呼吸器などを入れる作業を加速化し、10日以内にこの病院を稼働させるという。
 同州では3月16日に最初の感染者、3月31日に最初の死者を確認。最初の感染者確認から23日目の6日の感染者数は532人で、死者は19人だ。保健省が4日に発表した10万人あたりの感染者数(感染率)6・2は、12・8に急上昇している。
 同州の医療崩壊(少なくとも州都での新たな患者収容不能)は、2~3日で感染者数が倍増する感染爆発状態に陥った事が原因だ。同州の3日現在の感染者数は260人だから、3日間で感染者数は倍以上になった。
 保健省や知事達が外出自粛を含む社会的隔離策を推奨しているのは、感染爆発が起きて医療崩壊が起きると、医療関係者や病床の不足が起き、患者が適切な治療を受けられなくなり、死者も増えるからだ。同州の感染者は4日に20%、5日に34%、6日も28%増加。死者も、4日に71%、5日に17%、6日に36%増えている。
 保健省は同州の感染率が高い事に言及した際、マナウス市にはフリーゾーンがあり、工業生産や商業活動が盛んなために国内外からの人の動きが大きく、感染が拡大しやすいと指摘していた。
 マナウス市では、広報車で自宅に留まるよう呼びかける一方、警官を路上に派遣し、商店閉鎖を徹底させたりしている。
 だが、マナウス市の例は発端に過ぎない。ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相は3月、4月中に全国で病床不足が起きると発言。サンパウロ市も2日、4月後半に病床不足が起こり得ると発表した。

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