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《ブラジル》コロナ死者1万1519人=営業可能な業務拡大の大統領令=17州知事従わず

ネウソン・タイシ保健相(Julio Nascimento/PR)

 【既報関連】11日夜の保健省発表で、ブラジルの新型コロナウイルス感染者数は16万8331人、死者は1万1519人に達した。感染拡大ペースが収まらない中、ジャイール・ボルソナロ大統領(所属政党なし)は、スポーツジムと理髪店、美容院を最低限不可欠な基幹業務と認定する大統領令を出したと、11、12日付現地ニュースサイトが報じた。
 最高裁が4月15日に、「コロナ対策の決定権は州政府や市にある」との司法判断を下しているため、州や市の条例で営業停止になっているスポーツジムや理髪店は、大統領令によって一斉に営業開始とはならない。
 しかし、「地方自治体がとっている社会隔離政策は行き過ぎ」と批判する大統領が、こうした基幹業務拡大の大統領令を出すことで、知事や市長たちに圧力をかけているのも事実だ。大統領令で基幹業務と認定された業種(活動)は、既に57に上る。
 今回出された大統領令には、「3業種が(非常事態宣言中に)営業を行う際は、保健省の指示に従わなくてはならない」との文言が含まれている。だが、ネウソン・タイシ保健相は、「大統領令を出すことも、その内容も、保健省側に相談はなかった。基幹業務そのものは経済省が決めている」と発言した。
 「保健省は、基幹業務認定の議論に関わるべきか」と問われたタイシ保健相は、「基幹業務認定は経済省の管轄だから、今の時点では答えはノーだが、少し考えさせてほしい」と語った。
 また、タイシ保健相は、大統領令に書かれている「3業種が営業を行う際に従わなくてはならない保健省からの指示」が、具体的に何を指すのかも明言しなかった。
 ボルソナロ大統領は大統領令発令直前の記者会見で、「3業種は100万人以上の雇用を生み出している。生命の問題は雇用の問題と切り離しては考えられない。家に籠りっぱなしだとコレステロールやストレスなどの問題も増える。ジムに行ければ、こうした問題も解決する」と語った。


 なお、11~12日のニュースサイトは、12日午後5時現在で、「アクレ、アラゴアス、アマパー、アマゾナス、バイーア、セアラー、エスピリト・サント、ゴイアス、マラニョン、パラー、パライバ、パラナ、ペルナンブッコ、ピアウイ、リオ、セルジッペ、サンパウロ州の17州と、ブラジリア連邦直轄区が大統領令に従わない方針を表明」と伝えている。
 このように、連邦政府内や、連邦政府と州政府の姿勢がバラバラな中、世界保健機関(WHO)緊急事態対応の責任者マイケル・ライアン氏は11日、「人ごみの発生を放置し、国家レベルで統一されたコロナ封じ込め措置を採っていない国があることを心配している」と語った。
 同氏は具体的な国名を挙げなかったが、新型コロナウイルスによる死者が世界で最も多い10カ国の中で、国家レベルでの社会隔離政策を実施していないのは、ブラジルと米国だけだ。

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