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《ブラジル》コロナ感染再燃=連邦直轄区やベロ・オリゾンテ市で厳格化=サンパウロ州マスクなしに罰金500レアル

隔離規制厳格化を発表するBHのカリル市長ら(Rodrigo Clemente/PBH)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染再燃を受け、連邦直轄区のイバネス・ロッシャ知事が29日に非常事態を宣言した。また、ミナス州ベロ・オリゾンテでも同日から外出自粛が厳格化されたと29日付現地紙サイトが報じた。
 29日夜の保健省発表によれば、死者数は692人(計5万8314人)、感染者数は2万4052人(計136万8195人)。毎週月曜日の発表数は平均値よりだいぶ少なく、週半ばで激増するパターンを繰り返している。
 連邦直轄区は感染拡大初期に全国の自治体に先駆けて学校休校などを決め、ボルソナロ大統領から批判を浴びた。だが、早めの対策や住民あたりの医師数全国一といった条件が奏功し、感染爆発が予想された5都市の一つだったのに、感染者数や死者数の伸びが比較的抑えられていた。
 だが、4月以降、デモ増加などもあり、感染者数が毎週、50%以上増加する状態が発生。今月1日に感染者数が1万人の大台を超えた後は、11日に2万人、19日に3万人、26日に4万人の大台を超えた。28日現在の感染者数は4万4905人、死者は548人に増えている。
 非常事態を宣言した事で、連邦直轄区政府は予算案や財政責任法の制限を超えた資材購入などが可能となり、連邦政府の資金援助も要請出来る。また、社会保障関連の支払いの前倒しや、連邦政府に対する負債返済期間の延長の要請も可能だ。
 ここ最近で患者が急増し、1日に14人が死亡したりしたミナス州ベロ・オリゾンテでは、29日から外出自粛を厳格化し、商店営業に新たな規制を設けた。アレシャンドレ・カリル市長は「今は戦争の最中だ。戦争中にシュラスコやジョギングはしないだろう? 科学的な勧告に従おう」と呼びかけたが、市民は商店再開を求めるデモを起こした。

 同様な事態は、感染が再燃している南部諸州やサンパウロ州でも起きている。サンパウロ州では今月から段階的隔離緩和を始めたが、内陸部中心に感染者は毎週、20%台の伸びを記録。28日現在の感染者は27万1737人、死者は1万4338人だ。
 ジョアン・ドリア知事はこれを受け、内陸部のソロカバ、バウルー、ピラシカーバ、アラサツーバ、フランカの5地方を緩和レベル1(赤)に厳密化。バレットス地方はレベル2(オレンジ)に緩められたが、実際の緩和は来週以降となる。また、サンパウロ大都市圏ではサンパウロ市とABC地区、南西部がレベル3(黄色)となるが、サンパウロ市は緩和実施を来週以降に先延ばししている。
 サンパウロ州政府は7月1日から、公共の場でマスクをしていなかったら500レアル(約1万円)、防疫対策を怠った商業施設には5千レアルの罰金を課すことを、29日に発表した。州や市のフィルカルがこれを監視し、罰金を科すという。
 感染学的に見た26週(21~27日)の感染者増加率が62・7%で最高だったロライマ州では、ボア・ヴィスタにある同州唯一の総合病院が集中治療室の収容人数を超える患者受け入れを強いられており、アマゾナス州に患者を移送している。同州は隔離率が最も低い州の一つで、12日には州都住民の25%は感染している可能性あり、18日には同州の感染者はひと月で3倍増などと報じられていた。
 26週の感染者増加率2位(54・0%)のマット・グロッソ州では、先住民の感染者や死者急増も起きている。

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