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《ブラジル》大統領が国連演説で物議=「私は森林火災フェイクニュースの犠牲者」=コロナ禍の責任をマスコミに転嫁

22日のボルソナロ大統領(Marcos Correa/PR)

 ボルソナロ大統領は22日、国連総会で開会演説を行い、「自分は、アマゾンやパンタナルの偽情報を流す人たちのキャンペーンの犠牲者だ」と発言。さらに、根拠として信ぴょう性や正確さに欠ける発言を連発し、物議を醸した。22日付現地サイトが報じている。
 今年の国連総会での演説は、コロナウイルスの影響もあり、ビデオ動画の形で行われた。大統領は昨年の国連演説でも、法定アマゾンの森林伐採や火災の増加に対して生じた国際社会からの批判に対し、「アマゾンをどうするかはブラジルの自由」「欧州の干渉は植民主義的」と反論していたこともあり、今回の演説も事前から注目されていた。
 まず、法定アマゾンでの森林伐採が1年間で34%増え、パンタナルでの火災も急増していることで、再び国際的批判を浴びている環境問題に関して、大統領は「ブラジルは間違った情報の犠牲者だ」と強調。「法定アマゾン(の森林)は湿度が高いので、森林の外延部でないと火災は起きない」と根拠が確かでないことを言った上、「森林火災を起こしているのは先住民や土着民だ」として、製材業者や牧畜農家の責任を不問に伏そうとした。パンタナルの火災も「暑い場所にあるためだ」と説明したが、今年になって火災が急増している理由は説明しなかった。
 昨年10月に北東部の海岸に流れ着いた原油と、それに伴う海洋汚染の問題に関しても、大統領はそれが「ベネズエラから流れてきたもの」と説明しただけでなく、「犯罪的な意図によるもの」と断言した。
 この原油漏れは、ギリシャ船籍のタンカーから漏れた疑いがもたれている。だが、先月末に、原油汚染の原因は特定できずとの公式報告書が出ており、犯罪行為が原因だとは今のところ見られていない。

 18日に米国のマイク・ポンペオ国務長官がロライマ州を訪問し、べネズエラ難民施設を訪れた後、ベネズエラの独裁政権を批判する発言を行った問題に関しても、米国大統領選に直結する問題にもかかわらず、肯定的な物言いをした。
 世界第2位となる14万人近い死者を生んだ伯国のコロナ対策に関しては、国民の大半が外出自粛による隔離に賛成していたのに、大統領自身は隔離に反対していた事実を言わずに「ブラジルのマスコミが世論を2極化した」と他人事のように批判したのみならず、「コロナ対策には全力を尽くしている」と語った。 
 大統領はコロナで生活苦に陥った人たちに対して緊急援助金を支給するなどの対策を行ったことを主張したが、その際「1人あたり1千ドルを支給した」と誇張した。1回に付き600レアルの支給額は5回分を合計しても3千レアルで、現時点では600ドル程度にしかならない。
 ボルソナロ氏はさらに「宗教の自由は認められるべき」としながらも、ブラジルを「キリスト教による保守国家だ」と国の宗教を断定する発言を行い、「キリスト教嫌悪撲滅のために戦っている」とまで語った。

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