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《ブラジル》母に感謝して掃除婦姿で大学卒業式に=話題呼んで大学院奨学金の申し出も

奨学金支給が決まったと知らされて喜ぶロベルタさんと涙ぐむマルレネさん(Divulgacao/Unimes)

 貧困層が主に就業する掃除婦をしながら、娘の学費を稼いで大学を卒業させた母への感謝の気持ちから、母がいつも使っているユニフォームを着て大学卒業式に出席した女子学生が話題になり、大学から奨学金を受け取って大学院に進む事になった。
 「ベッカ」と呼ばれる卒業式用の衣装を着て式に出席したロベルタ・マセナさんだが、その下には母のユニフォームを着ていた。そのユニフォーム姿で記念写真の撮影を行い、苦労して自分を育て、学資も支援してくれた母を顕彰した話は多くの人の心を動かした。
 ロベルタさんの母のマルレネ・コルデイロ・デ・オリヴァイラさんは貧困層が集中する北東部出身で、家が貧しかったため、13歳で学校を辞めて働き始めた。
 成人してサンパウロ州に移り住んだマルレネさんは結婚し、ロベルタさんをもうけた。学校に行き始めたロベルタさんの助けを受けて勉強を再開したマルレネさんは、ロベルタさんを積極的に支援し、大学の学費を払うのも手伝った。
 卒業写真撮影時に母のユニフォームを着用し、母への賛辞と感謝を述べるロベルタさんの姿や、母娘が涙を流して抱擁し合う様子を報じた2月28日付G1サイトの記事を見たサントス市メトロポリターナ大学(Unimes)関係者は、ロベルタさんに同校の修士課程で学ぶための奨学金を支給する事を決め、母娘に伝えた。

卒業式でのロベルタさんとマルレネさん(2月28日付G1サイトの記事の一部)

 奨学金の支給は二人を大学に呼んで伝えられ、卒業式で感涙を流したマルレネさんが再び、涙にくれる姿が見られた。
 ロベルタさんは教育関係の専門家として大学で教鞭をとる事を願っているが、新型コロナによるパンデミックや経済力の問題があり、大学卒業後はボランティアとして働きつつ、家庭教師のような形で教育に携わっていた。だが、コロナ禍で対面授業は難しく、教育分野で働く機会も限られているため、教師になりたいという夢の実現に不安も感じていた。
 そんな中、活路を見出したのがバーチャルの世界で、インスタグラムを利用して教育や文化、芸術などを扱う新たなプロジェクトを立ち上げた。「教育はテクノロジーの進歩によって大きく変化している」というロベルタさんは、新たな技術や新たな時代に即し、テクノロジーを使った方法に焦点を合わせている。
 ロベルタさんは基礎教育に関する修士課程への進学を希望していたが、パンデミックの最中は無理だろうと考えていた。だが、そんな時に届いたのが、大学側から奨学金支給の通達だった。奨学金支給について話してくれた担当者は、「私の母も苦労して自分を育ててくれた」と語り、ロベルタさん達の姿を自らの歩みに重ねていたという。
 父母の愛情とより高い教育をとの願いを受けて大学を卒業したロベルタさんは今、自らの夢を実現するための大きな一歩を踏み出そうとしている。(8日付G1サイトより)

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