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新型肺炎で続々とイベント中止=日系社会でも悪影響が甚大に=県連故郷巡り延期、蘭展中止

昨年のアマゾン日本人移民90周年で行った「第51回移民のふるさと巡り」の集合写真

 中国を発生源とする新型コロナウイルス(COVID―19)のブラジル国内の感染者1人目が2月26日に発見された。それから2週間あまりの13日午前10時半現在で151人を数えるまでに急増し、今後さらに爆発的に増えると予測する専門家も出てきた。これを受け、コロニアでも近日開催予定だった各イベント、例えば県連ふるさと巡り(来週出発予定)や、来週末のサンパウロ蘭展などが延期や中止となり、各団体が緊急対応に追われている。今後のイベント実施状況やコロナウイルス拡大の対応策について各団体に取材した。

 「来週20日からのふるさと巡りを延期に決めた」。13日午後1時、ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長が来社し、同日午前に役員と旅行会社が話し合って決定したと告げた。
 前日までは行く方針だった。だが日毎に状況が悪化し、参加予定の人からは「14人ほどキャンセルが出た」。参加者の平均年齢が80代前後と高齢者なことを考慮し、「断腸の思いだが人命を優先」と決断した。
 延期後の日程については今年9月を予定。9月に開催予定だったカナダと米国シアトルを訪問する「第53回移民のふるさと巡り」は来年3、4月に延期する意向だが、詳細は後日、県連から発表する。
 県連主催の日本祭りについては、谷口ジョゼー眞一郎実行委員長が「今のところ実施予定。150万レアル先行投資しているので、今中止するのは難しい」と語る。ただし状況が更に悪化し、サンパウロ州政府からイベント中止の通達があれば延期の可能性があるという。
 一方、ブラジル日系熟年クラブ連合会(上野美佐雄会長)事務局の金藤泰子さんは、「うちの会員は平均年齢80歳だから、何だかんだ皆心配しているよ」と電話取材に対し、開口一番にそう言ってため息をついた。今週末に開催予定だった熟連麻雀大会も13日に中止が決定した。
 「9月に熟連45周年式典をやる予定で、日本の人を呼ぶつもりだったけど、今後が読めないから延期することになった」とも説明。他にも名画友の会が無期限延期になるなど暫くは活動を自粛する。
 今週末に文協大講堂で行う予定だった、こどものその主催チャリティーショー「ABBA The History」と、やはり文協ビルで20日から3日間開催予定だったサンパウロ蘭協会主催の「第102回蘭展示会」も中止となった。場所を提供するブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長は、14日に文化スペースで実施される「日本の美」は行うが、その後のイベントに関しては「延期や中止になるものも出てくるのでは」と語った。
 また、沖縄県人会が主催し文協が共催する、首里城再建に向けた義援金集めのイベント「第2回チバリヨーウチナー」(上原テリオ実行委員長)を29日に文協大講堂で開催予定だったが、13日午後の会議によって中止の判断に。今後については沖縄県人会から改めて通知する予定。

日系病院が対応策検討

 石川氏に対し、理事長を務めるサンタクルス病院について尋ねると、「コロナウイルス対策チームを立ち上げた。今後の取組については、現在院内で話し合っているところだ」と語った。
 サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長も、「現在、医師たちが傘下の病院や福祉施設を回って予防策等の説明会を行っている」と対応策を述べた。「フェイクニュースも飛び交っているので、予防策等について聞きたい場合は、援協に電話してくれれば医師が一般向けに説明会を行いますので、ぜひ連絡してきてください」と呼びかけた。


□関連コラム□大耳小耳

 新型コロナウイルスの影響によるイベント中止の連絡は本紙にも続々と入っている。ブラジル相撲連盟(籠原功会長)は、22日にサンパウロ市ボン・レチーノ区で開催予定だった『第42回サンパウロ州相撲選手権大会』を中止。その前日に開催する『南米相撲選手権大会』の予選大会は、無観客で行うという。さらに滋賀県人会の山田康夫会長によれば、複数の県人会が主催する『秋の屋台祭り』も中止を決定。今後も新型コロナウイルスが収束するまでは、イベント中止の連絡が続々と入りそう。
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 新型コロナウイルスの影響で、個人的な日本旅行をキャンセルしたとの話も続々と入っている。サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市在住の葛山秀明さん(73、熊本県)は、ドイツ在住の末娘家族と4月に日本に行く予定だったが中止した。「孫2人に桜の下で花見を体験させたかった。幼い頃から日本に親しんでもらい、日本というルーツを自覚してもらいたかった。でもこの調子じゃとても行けない…」と顔を曇らせていた。しばらくは人混みが多い場所や旅行は自粛し、自宅で大人しくしている方が無難なようだ。

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