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《ブラジル》感染再拡大で第3波の恐れ=4月の外出規制緩和で緩み?=油断禁物、変異株で再感染も

サンパウロ州リベイロン・プレット市クリニカス病院のUTI(Divulgacao)

 17日現在の新型コロナ感染症による死者は43万6537人で、11日以降の平均は2千人/日を切るまで下がってきたところだが、早速、第3波を心配する声が出ている。というのも、平均の死者数が上下動を起こし始めた事や、新規感染者増が3週間続き、病床待ちで死亡する人の増加や新たなロックダウン採用といった報道から、死者が増加に転ずる事への懸念が出ているからだ。
 集中治療室(UTI)の空き待ち中の死者増はサンパウロ州などで起きている。18日付フォーリャ紙によると、サンパウロ州では今年、UTIに入れずに死亡した患者が698人いる。
 698人中、77・4%は3~4月に29市で記録された。これら29市では4月22日までに579人が入院できずに死亡。それ以降も、20・4%にあたる118人が死亡した。同紙によれば、ここ25日間は、UTI待ちで亡くなる人の数が増えているという。
 医療体制の再逼迫は感染者増が続いている事から予想できた。サンパウロ州バタタイス市では、感染者や死者、入院患者の増加が続き、15日から15日間のロックダウン(都市封鎖)を採用した。
 16日付フォーリャ紙によると、14日現在の同市でのコロナによる死者104人中66人は今年に入ってからの犠牲者で、昨年中の38人を大幅に上回る。内16人は5月の死者だ。
 コロナ患者用の病室はUTIも一般病室も一杯で、PCR検査が陰性となった重症患者は一般のUTIで治療を受けている。サンパウロ州の私立病院のUTI占有率も上昇し始めている。

 同市では備蓄用の食料品などを買えるよう、週末もスーパーの営業を認めたが、今週からはパン屋や肉屋、スーパー、レストランなどはデリバリーのみとなる。
 4月中旬以降の外出規制緩和や母の日などで、感染者が増えている自治体は多く、16日現地サイトではパラナ州やペルナンブコ州での外出規制強化が報じられた。
 また、16日付フォーリャ紙は、リオ・グランデ・ド・スル州の高齢者収容施設での集団感染も報道。サンルイス・ゴンザガ市の施設では、風邪が疑われた高齢者や職員79人を検査した結果、高齢者48人と職員16人の感染が判明。持病もあった高齢者2人は死亡した。
 同市の病院理事は、「高齢者や職員が予防接種を受けていなければ、もっと悲惨な事態が起きていた」としている。同州サンボルジャ市の施設でも、検査を受けた68人中56人の感染が判明している。
 これらの事実は、一時的な感染者や死者、入院患者の減少は感染が終息に向かっている証拠ではない事や、予防接種を受けても油断してはならない事を示している。
 既に感染した人も油断禁物だ。深刻な医療崩壊が2度起き、感染力の強い変異株P1に翻弄されたアマゾナス州マナウス市では、1月以降に感染が確認された人の31%は再感染という調査結果も出ているからだ。
 4月にブラジルでの死者は7月1日までに56万人余に上る可能性あり(95%がマスクを使えば50万人強)と指摘したワシントン大学の研究者は18日、死者は再び増え始め、3千人/日に戻り得るとし、最悪の場合は9月までに97万人余りが死亡との予想を発表。今後の推移は、マスク着用や社会的な距離確保などの対策徹底とワクチン接種次第だという。

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