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《ブラジル》アマゾン森林伐採が6月も新記録=パンタナルで火災発生=少雨や病気にも関係か

アマゾン森林火災の様子(Foto de Cícero Pedrosa Neto/Amazônia Real)

 国立宇宙研究所(Inpe)が、法定アマゾンでの森林伐採は6月も月間記録を更新する1062平方キロに達し、4カ月連続の新記録となった上、上半期も記録更新と発表したと10日付現地紙などが報じた。
 Inpeが発表したのは、1ヘクタール程度の伐採もリアルタイムで把握するDeterと呼ばれる伐採監視システムで得たデータだ。それによると、6月の森林伐採は昨年同月比で2・7%増の1062平方キロだった。これは、6月としてはDeterによる監視が始まった2016年以降で最多だ。
 月間の伐採量が1千平方キロを超えたのは2カ月連続で、月間伐採量が従来の記録を更新するのは3月以降、4カ月連続だ。
 これにより、3~6月の伐採量は3401平方キロ、1~6月(上半期)の森林伐採量も、昨年同期の3078平方キロを17%上回る3610平方キロに達した。法定アマゾンは乾季に入っているため、7月以降9月までは例年、森林伐採が増える。
 法定アマゾンが乾季に入った事で6月は森林火災も増えており、2007年以降で最多となる2308件に達した。森林火災の66・5%はマット・グロッソ州、18・4%はパラー州、5・7%はロンドニア州で起きた。これらの地域では、先住民居住区でも110件の森林火災が起きている。
 法定アマゾンでの森林伐採や火災が月間記録を更新し続けている事を重く見た連邦政府は6月末、先住民居住区や国有地などでの森林伐採や火災抑制のため、軍兵士の派遣を決めた。モウロン副大統領は今週、約3千人の兵士を派遣すると発表した。だが専門家は、派遣予定の市の名前も公表した事で、不法伐採を行う製材業者達がそれらの地域を避けて森林伐採を行う可能性を指摘している。

伐採で切り開かれた農耕地と病気の増加の関係について報じた13日付ポデール360の記事の一部

 乾季に入ると森林伐採や森林火災が増えるのは法定アマゾンだけの問題ではなく、パンタナルに属するマット・グロッソ・ド・スル州コルンバーでは、11日の午後から12日にかけての24時間だけで800ヘクタールを焼失する事態も起きている。
 同州での火災は1~10日だけで270件に達し、植物や動物への影響も出ている。消防隊は11日も、体長5・5メートル、体重80キロの蛇(スクリー)の焼死体などを見つけている。
 ブラジル中西部や南東部、南部にかけては91年ぶりの少雨に見舞われており、マット・グロッソ・ド・スル州政府は、7~9月の降水量は平年の40~50%と見ている。
 森林伐採や森林火災はセラードなどでも増えているが、この地域の森林が減ると湿った空気を含んだ大西洋からの風が減る。これにアマゾンやパンタナルでの森林伐採や森林火災が重なれば、アマゾン上空で生じ、アンデス山脈沿いに南下して雨を降らす雲が減る。この上にラニーニャ現象が重なったのがパラナ川流域での極端な少雨だとの説がある。
 森林伐採や森林火災の影響は少雨や植生減少だけではなく、「生息域を失い、獲物も獲れなくなったオウギワシの雛が相次いで死んでいる」「呼吸器疾患やデング熱、マラリアなどの病気が増加」といった報告も出ている。

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