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《ブラジル》大統領派トラック野郎が〝暴走〟=7日デモの煽りで15州の街道閉鎖=大統領も解除呼びかけ=経済への悪影響に懸念

ゼー・トロヴォン容疑者(Twitter)

 7日の独立記念日のブラジリアでの抗議活動に参加したボルソナロ大統領支持派のトラック運転手たちが、デモの後も三権広場に居残り、最高裁への侵入を試みたりしている。それに影響され、全国15州でトラック運転手たちが州道を封鎖して問題となっている。ボルソナロ大統領は経済への影響を恐れ、運転手たちに封鎖解除を命じているが、それすらかまわず〝暴走〟している。9日付現地紙、サイトが報じている。
 事の発端は、7日にブラジリアの三権広場の前での抗議活動にトラックごと入り込んで参加したトラック運転手たちが、解散後もその場を離れようとせず、最高裁への侵入を試みたことにある。彼らは最高裁判事の更迭を叫び、ボルソナロ大統領が求めたものの下院で却下された「印刷付き電子投票」(ヴォト・インプレッソ)の導入を主張。最高裁に入り込もうとしているが、連邦直轄区の軍警に止められた状態が続いている。
 すると、この行動に刺激されたトラック運転手たちが8日から、それぞれの州で州道や国道をトラックで塞ぐ行動に出て問題を大きくしている。インフラ省によると、9日朝8時の時点ではサンタカタリーナ州、リオ・グランデ・ド・スル州、パラナ州、エスピリトサント州、マット・グロッソ州、ゴイアス州、バイア州、ミナス・ジェライス州、トカンチンス州、リオ州、ロンドニア州、マラニョン州、ロライマ州、パラー州の国道で同様の動きが続いていたが、この時点での封鎖地点は同日未明より10%減ったという。
 連邦道路警察は、9日朝の時点でサンパウロ州とリオ州、エスピリトサント州、ゴイアス州、ミナス州の国道での封鎖解除に成功したとの報告も行っている。スト参加者には7日夜から運行停止を決め込んだタンクローリー車の運転手たちも混じっており、ガソリンスタンドでの燃料枯渇や、商品の配送停止などの混乱は、9日まで続いていた。

 トラック運転手による抗議行動といえば、2018年5月に起こったトラック・ストが記憶に新しい。だが、今回はそのときと異なり、トラック組合は何の指令も出していない。サンパウロ周辺地域貨物輸送業者組合(Setceb)のアントニオ・シケイラ副会長が、「ストなどフェイクニュースだ」と不快感を示したのをはじめ、トラック業界でも一部運転手たちの暴走行為に不満の声があがっている。
 企業家の間でも、今回の道路封鎖や運転手たちによる通常業務の放棄で、食品や薬品、燃料の補給などで大きな損害が出るかとの悲観的な観測が上がっている。
 こうした状況からボルソナロ大統領は8日夜、トラック運転手たちに向け「経済に影響が出るのでただちに封鎖をやめるように」との音声メッセージを流した。この声明に関し、タルシジオ・デ・フレイタス・インフラ相も、これが大統領本人のものであることを認めた。
 トラック運転手たちに封鎖を呼びかけ、現在、連邦警察から指名手配中のマルコス・アントニオ・ペレイラ・ゴメス(通称ゼー・トロヴォン)容疑者は8日夜、逃走先から「これが本当に大統領からの反応なのか」と失望の録画を発表。8日未明には、本当に封鎖解除を求めるなら、明確な日時も入れたビデオを発表することと、大統領支持派で連警の標的となっている人物への保護を要請した。
 同氏は、「政権擁護のデモを計画したことで自分の人生は破綻した」とも語っており、9日午後には、「今、メキシコにおり、まもなく捕まるだろう。もう逃げるのに疲れた」というビデオも流している。
 なお、ボルソナロ大統領は9日朝も、大統領官邸前で支持者たちからストについて聞かれ、「封鎖を解除するよう運転手たちと話す」と約束した。

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