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《ブラジル》サンパウロ市では99・7%がデルタ株=リオ州では10月はじめから=ワクチン接種進展が再燃防ぐ

ブラジルでもデルタ株の変異種発見と報じる23日付G1サイトの記事の一部

 ブタンタン研究所とサンパウロ総合大学熱帯医学研究所、アドルフォ・ルッツ研究所による遺伝子解析によって、新型コロナ感染者の99・7%はデルタ株感染だった事が判明と、サンパウロ市市役所が27日に発表した。
 27、28日付現地サイトによると、遺伝子解析でデルタ株感染が判明したのは843人で、同市初の同株感染者が確認された7月以降の累計は4077人となった。
 サンパウロ市は25日の時点で成人人口の100%がワクチン接種を完了としているが、9月3日は新規感染者の約70%だったデルタ株感染者が接種進展の中で99・7%まで増えた事は、同株の感染力の強さを物語る。
 だが、サンパウロ市の集中治療室(UTI)や一般病室の占有率は下がり続けており、死者も減少している。この事はデルタ株に感染しても重症例や死に至る例が少ない事を意味する。これはワクチン接種進展による効果だ。
 デルタ株による感染が新規感染者のほとんどという状態は、リオ市などでも起きている。9月4日付現地サイトによれば、リオ市では同時点で新規感染者の90%がデルタ株感染だった。2週間前は55%が同株感染だったから、同株の感染力の強さがわかる。

 10月1日付現地サイトは、リオ州では99・79%がデルタ株感染と報じている。同時点のガンマ株(マナウス株)感染は468例中1件、その他の株への感染例は4件だった。同州では7月以降、デルタ株感染が最多となっている。
 また、23日付現地サイトなどによると、パラー州ベレン市では9月に採取したサンプルからAY33というデルタ株の変異種が見つかった。同株感染者は発症後も簡易検査やPCRでは陰性で、遺伝子解析で感染が判明した。専門家は、感染が疑われる人は検査が陰性でも14日間の隔離をと勧めている。
 同市のエジミルソン・ロドリゲス市長は1日にデルタ株感染で発症し、13日間入院加療後に退院したが、背中に強い痛みを感じて21日に病院に。通常では起きない胸部の内出血がみつかり、手術で血を抜いた後、UTIに入ったが、27日に一般病室に移った。
 医師達は最初の入院の際に使った抗血栓剤が内出血を引き起こしたと見ており、非常に珍しい重症化例とする一方、同氏がワクチン接種を完了していなかったら状況はさらに悪かったはずと見ている。同氏は4リットルの血を失い、緊急輸血を受けたが、多数の市民が献血してくれて助かった。同市長は退院後、補強接種を受ける予定だ。

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