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《ブラジル》軍事クーデターを「革命」に言い換え?!=ボルソナロに教育介入疑惑

17日、中東訪問中のボルソナロ大統領(Alan Santos/PR)

 ボルソナロ大統領が今年度行われる国家高等教育試験(ENEM)に関し、1964年のブラジルの軍事クーデターを「革命」と表現しなおすよう、圧力をかけていた疑惑が浮上している。18、19日付現地紙、サイトが報じている。以前から軍部内では、そのような言葉使いが慣用されてきた。
 高校生にとっては国内最大の学力テストで、入試を兼ねる、またはその一部に加えている大学も多いENEMは、21日、28日に行われる。今年は試験実施を約2週間前に控えた5、8日に、試験を主催する国立教育院(Inep)の職員35人が集団辞職するという、異例の事態が起こっていた。
 しかもその後、ボルソナロ大統領が、「これでENEMに連邦政府の色が出る」と発言したため、「ボルソナロ大統領がENEMに介入したのではないか」との疑惑が急速に高まった。
 この発言後には、連邦議会がミウトン・リベイロ教育相を召喚して説明を求め、同相が慌てて介入を否定する事態となった。
 大統領自身も、先の発言後、「出題に口出しなどしていない」「試験問題は見ていない」として介入を否定したが、ここに来て、大統領が介入したとする証言が上がってきている。
 フォーリャ紙が19日に報じたところによると、取材に応じたInepの職員が、大統領が今年の上半期に、「連邦政府に不都合な出題は行わない」よう、教育相に求め、教育相が同省職員やInepの関係者にもそのような発言があったと話していたという。

 大統領の要請の中には、1964年3月31日に起こった軍事クーデターを「革命」と表現することなどが含まれており、独裁政権や性教育、性の平等、人種差別などに関する出題に対しても、「左翼的」だとして圧力がかけられたという。
 ボルソナロ大統領は昨年も、サッカー界のスター選手のネイマールとマルタの給与に男女ゆえの差があることに関する出題があったことに対し、批判を行っていた。
 これらの出来事によって、Inepの職員たちは圧力を感じ、「政府の気にくわぬ出題を行えば解任されるのではないか」といった危機感を募らせていたという。
 ただ、いったん出題の推敲がはじまると、リベイロ教育相やダニーロ・ドゥパスInep院長は出題に目を通すこともなく、除外が検討されうる内容に関しても、何も口をはさまなかったという。
 ドゥパス院長はENEMに関する管理能力を問われ、複数の教育団体から解任を求められている。

★2021年11月10日《ブラジル》国立教育研究院職員35人が一斉に抗議辞任=ENEM実施の2週間前に
★2019年5月7日《ブラジル》ボルソナロ政権が教育支出を約80億レアル凍結=基礎教育課程だけで24億レアル=大統領選挙時の公約と矛盾=大学院学生にも影響か
★2018年11月24日《ブラジル》ボルソナロ次期大統領が教育相にロドリゲス氏指名=帰化コロンビア人の右派教授=軍の学校で教鞭もとる=64年の軍政成立礼賛者

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