俳句
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ニッケイ俳壇(891)=富重久子 選
サンパウロ 田中美智子 冬の旅詩情溢るるグラマード 【グラマードはブラジルで最も南の町で、冬の旅は少し寒かったであろうと思われるが、それだけしみじみとした情趣に富む恵まれた良い旅
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ニッケイ俳壇(890)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 沈み行く月に妻恋鹿の鳴く横書きの文親しめず秋灯下生え広がり咲き広がりて秋桜引力に耐えて暮れゆくパイナかな除夜告げて我が家に古りし鳩時計 北海道・旭川
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ニッケイ俳壇(888)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 屠蘇を酌む我百才をブラジルに野の雨降りそびれたる残暑かな宙を飛び逃げる蛇追ひアヌン二羽草青む牧場に光る沼一つこぼれ種子まで生える蕎麦の花盛り 【百才を迎え
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ニッケイ俳壇(887)=富重久子 選
サンパウロ 平間 浩二 里山の一村挙げて吊し柿 【秋も深まってくると、この「吊し柿」が店頭に並び懐かしくてよく買い求める。 この句の「里山」とはスザノあたりの地方であろうか。スザ
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ニッケイ俳壇(886)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 念腹の残党奥地の虚子忌わする山鳥が鳴く移住地に蕎麦を蒔く咲き満ちて百日草が今主役我を見ており鰐の眼のまたたかず春惜しむ角笛を吹き鳴らすなり 【いよいよ百才
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ニッケイ俳壇(885)=富重久子 選
カンポ・グランデ 秋枝つね子 夏の雲ぼんやり見てる九十才 【雲の美しさは色々あるが、特に夏の雲は変化が多い。『綿帽子雲』『積雲』『雲の峰』等。 作者は広く養鶏をしていて、もう九十歳とい
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ニッケイ俳壇(884)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 野良の雨降りそびれたる残暑かな宙をとび逃げる蛇追ひアヌン二羽草青む牧場に光る沼一つ屠蘇酌み我百才をブラジルに 【作者は単身で一九三十四年八月三十一日、モン
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ニッケイ俳壇(883)=富重久子 選
セザリオランジェ 井上 人栄 乱れ棹すぐ立て直し雁渡る【「雁渡る」といえばすぐ、「かりかりわたれ おほきなかりはさきに ちひさなかりはあとに なかよくわたれ」という童謡を口ずさむが、こ
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ニッケイ俳壇(882)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 アララ飛び花野の虹は濃かりけり向ふ岸鹿現れてこちら見る風鈴の尾の力抜け酷暑来る差し向けし灯に目を剥いて枝の木莬滝くぐり来て中空に囀れる 【明治の偉人・正岡