ニッケイ新聞 2009年8月20日付け 05年の「郵政選挙」は面白かった。小泉元首相の民営化論は若い頃からの持論であり、霞ヶ関からも猛反対される。衆院での可決にも苦労するけれども、参院で否決されると直ちに衆院解散に踏み切る。このときには解散に反対する閣僚がおり、最後まで突っ張る農林大臣の島村宜伸を罷免し、森喜朗元首相の説得にも ...
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ニッケイ新聞 2009年8月19日付け 外務省のデータによれば、在外邦人の数は約百八万人、有権者数は八十一万人。そのうち選挙人登録をしているのは約十一万人と約一三%に過ぎない。しかし、サンパウロ管内の登録者数は一万人強とその一割。「世界最大の票田」といわれる所以だ▼今日十九日から在外選挙が始まる(公館投票は二十二日まで)。サン ...
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ニッケイ新聞 2009年8月18日付け その昔には「いどべい政治」の言い回しがあり、新聞や雑誌でもよく使ったものである。あの頃の政治家には資産家が多く、カネの使い方もかなり派手だし、好きな政界に入ったはいいが、屋敷がなくなり田畑もなく残ったのは井戸と塀だけを皮肉り、ある種の尊敬の念も含まれたいたように覚えている。故・藤山愛一郎 ...
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ニッケイ新聞 2009年8月15日付け あの日は暑かった。正午の玉音放送を聞くため座敷に集まり「もんぺ」を穿いたおばさんらが滂沱と嗚咽していたのは今も鮮明に覚えている。子どもの頃なので「朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ」で始まる終戦の詔勅の意味はわからない。ただー国民学校1年生だったので防空頭巾もかぶり、米空軍の機銃掃射も体験したので ...
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ニッケイ新聞 2009年8月14日付け 仕事柄、各地を訪れるさい、常に日系との関わりを探してきた。このたび「観光振興」の取材でエスピリト・サント州に。今回は日系と関わることはないだろうーと思いつつ、潮風の吹く州都ヴィトリアの空港に降り立った▼早朝の便だったため、海岸沿いのホテルで朝食。マネージャーと名刺交換すると、何と「中村さ ...
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ニッケイ新聞 2009年8月13日付け 寒い夜の晩酌はいい。湯上りの一杯は人肌のぬるめを舌にころがし、あの芳醇さを楽しむ。次の銚子は少しばかり熱く、調子が上がり3本目となれば熱燗にし、いささかの酔眼で2つ3つの猪口を見てはー銅の銚釐(ちろり)で燗をつけ備前焼か織部を手にちょっと薄味の肴を口に独り酒を静かに呑みたい▼若い頃は強い ...
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ニッケイ新聞 2009年8月12日付け 二〇〇〇年の発刊から十年目となる来年三月、勝ち負け問題を描いた『コラソンエス・スージョス』(フェルナンド・モラエス著)の映画撮影が始まるようだ。監督はヴィセンチ・アモリン(43)。セルソ・アモリン外相の息子で八七年から映画製作に関わり、監督作品もある▼ブラジルでも好評を得たクリント・イー ...
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ニッケイ新聞 2009年8月11日付け 英雄色を好むーそうながら故宇野宗佑首相が情人とトラブルが起きて超々の短い内閣に終わってしまった。まあ、これは愛情料?を払わなかったのが事の始まりらしいからー男としての宇野宗佑氏の責任は大とするしかない。これに比べると、イアリアはさすがに凄い。あのクレオパトラが恋したのもローマ帝国の2人の ...
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ニッケイ新聞 2009年8月8日付け 6日午前8時15分、「エノラ・ゲイ号」は上空9632メートルから原爆を投下、高度600メートルで核爆発を起こし、広島に壊滅的な被害を与える。このウラン爆弾はTNT火薬1万5千トンに相当し破壊力は凄い。広島市民は、1950年までに24万人も死亡し、瓦は焼け爛れ壁に映った影も印刷されたかのよう ...
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ニッケイ新聞 2009年8月7日付け 移住当時の話を聞くおり、やはり食事の苦労が気になる。慣れない当初、ブラジル食は日本人を悩ませた。腹が減っては開拓できぬ、やはり日本人は日本食―とバナナを糠代わりにした漬物やミーリョを焦がした代用醤油を作った。時代は変わって今、アマゾンでも安易に食材が手に入る▼日本食は市民権を得た。しかし、 ...
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