ニッケイ新聞 2008年10月28日付け 新聞の記事は難しいーと言えば難しい。ある物事を知れば書くというものでもないし、やはり書くべきものかどうかの選択がとても大切なのではないか。ところが、日本の新聞の多くは、なんでも「書く」の姿勢が目立つ。つまり、「書きっぱなし」であり、書かれた被害者?は黙って泣くしかない▼朝日新聞の夕刊に ...
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コラム 樹海
ニッケイ新聞 2008年10月25日付け これは戦後のことながら「常用漢字」とかの制限があり、混ぜ書きや代用漢字が物凄く多い。今や世界的な金融危機で会社の経営が立ち行かなくなる「はたん」が増えている。ところが、新聞の記事では「破たん」であり「破綻」とは書かない。これも「綻」が表外字(常用漢字外)なので使えないから「たん」とせざ ...
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ニッケイ新聞 2008年10月24日付け 「最悪。もう事務所たたもうかって本気で考えてるよ」。デカセギ派遣をする知人はガルボン街で、通りすがりにそう嘆いた。「日本が不況でデカセギの失業者がすごい数らしい。そいつらがどんどんブラジルに帰ってきている。どうなってんだ、今回の金融危機は」▼日本経済の動向がデカセギ求人に数カ月前に現れ ...
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ニッケイ新聞 2008年10月23日付け 「雨ニモマケズー」で有名な宮沢賢治のメモに「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シの野菜ヲ食べ」とある。四合は多い気がするが、副菜が少なかった当時、労働者の平均は一日六合というから、これは質素の例え。ともあれ、日本人の食の中心は米であり、「美味い米さえあればー」との向きは多い▼しかし、日本民族が弥 ...
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ニッケイ新聞 2008年10月22日付け 十一月四日の米国大統領選挙まで二週間を切った。ニュースでオバマ候補が「黒人」と報じられることに違和感を覚えている人も多いだろう。当地的にいえばパルド(混血)だ▼かつて米国には「血の一滴ルール」があり、わずかでも混じっていれば黒人と扱われた。今もその影響が残り、父がケニア人の同候補は米国 ...
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ニッケイ新聞 2008年10月21日付け 数ヶ月前に先輩から旧制高校の話を書いた本を2冊借りて読む。戦後教育を受けた遯生にとっては、東京の1高や京都3高の寮歌を歌う程度であり、旧高校生の勉強ぶりや志の高さはよく知らない。かなり破目を外し暴れもしたらしいけれども、語学も達者で難解な哲学書を独仏語などの原書に接し仲間で激しい議論も ...
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ニッケイ新聞 2008年10月18日付け サ紙が「戻りガツオ」の記事を写真入りで報じていた。鰹船から水揚げされるあの腹に輝く大きな銀白色がいい。南洋から黒潮に乗って北上する鰹は北海道沖にまで回遊し豊かなエサを食べる。そして9月中旬になるとまるまると肥り親潮に沿って南下し熱帯の海に戻る。この頭から尾まで脂がいっぱいになったのを「 ...
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ニッケイ新聞 2008年10月17日付け モジ市のイタペチ植民地創立六十周年式典の折り、コチア青年の芳賀七郎さんが「今のイタペチは成功している。だが景気が良い時に次に備えなくてはいけない」と語っていたのが強く印象に残った。モジ市の日系団体はかつて三十ちかくもあったが「今じゃ半分以下になった」と嘆く。過去から学び、先を見る眼力が ...
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ニッケイ新聞 2008年10月16日付け 「目には目を歯には歯を」の記述で知られるハムラビ法典に「最近の若いものはー」という一説があるのは有名な話。紀元前千八百年から現在まで歴史が繰り返していることを知ることが出来るのも、文字が残されているからこそ▼本年度のコロニア文芸賞は、百周年を記念、「記念誌賞」「選考委員会賞」を増設した ...
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ニッケイ新聞 2008年10月15日付け 「とりあえず、最悪の時期は脱した」。十三日、世界の金融市場を固唾を飲んで見守っていた専門家の中には、そんな感想を持った人もいた。先週一週間でブラジル経済六つ分の価値が、世界の金融市場から消滅した。週末のG20会議などを受け、月曜の市場は世界で空前の上げを記録した▼だが、これで元に戻るわ ...
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