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2009年

アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《3》=苦難続きで78%退耕=極限まで体力消耗し罹患

ニッケイ新聞 2009年8月26日付け  移民は生まれた環境に近い場所を選んで定住する傾向がある。沖縄系なら海に近いジュキア線、ドイツ系なら南部三州に集住した。祖国での経験が活かせることを本能的に察知しているのだろう。 だが時に冒険もする。まったく違う環境、例えばアマゾンに挑戦したりする。しかし、人は往々にして持って生まれた習慣 ...

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アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《2》=黒水病で両親失う=前人未到の原始林に斧

ニッケイ新聞 2009年8月25日付け  一九二九年九月二十二日午前八時半、第一回移民の四十二家族百八十九人がアカラ植民地(現在のトメアスー移住地)の波止場に到着し、前人未踏の原始林に開拓の一斧を振り下ろした。 沢田哲さん(さとし、90、熊本県)は、「本当は第一回移民で来るはずが、トラホームで引っかかって神戸の移民斡旋所の六カ月 ...

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日伯論談=第16回=ブラジル発=佐野シルビオ=「日本へ向かった夢」=―Sonhos Que De Ca Segui―

2009年8月22日付け  経済危機の中、ブラジルを含め世界中の人々が動揺している。感じていない人もいるだろうが、海外で働く我々の同胞もまた、その波に苦しんできた。日本へのデカセギ労働者に関しても、何の準備もできないまま、思いがけない帰国現象が起こった。  日本で産まれた子、幼い頃に日本へ連れてこられた子供がいる家族の場合、さら ...

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アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《1》=移民のアマゾン絵巻=大河のごとき流れに

ニッケイ新聞 2009年8月22日付け  アマゾンで豊饒なのは生態系だけではない。過酷な大自然を縦糸に、極彩色の絵巻のような逸話の数々が横糸として織り込まれ、とても豊かな移民史の大河を形成している。並みいる欧米系植民地がアマゾンの厳しい自然に手を焼き撤退していく中、マラリアなどの病害に耐えて日本移民が根付いてきた八十年の歴史は、 ...

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日伯論談=第15回=日本発=池上重弘=日本の高等教育機関で学ぶ若者たちに希望を寄せて

2009年8月15日付け  世界的な景気後退以降、ブラジル人学校をやめて不就学に陥った子どもたちの問題が、日本のブラジル人コミュニティにおいて深刻な問題となっている。  しかしこの小文ではあえて、日本の大学に進学した子どもたちの取り組みに焦点をあてて紹介したい。日本で生きる子どもたちにとって、日本社会で教育面の成功を収めた先輩た ...

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日伯論談=第14回=ブラジル発=中川デシオ=移住と精神の健康

2009年8月8日付け  まずは、いくつかの視点を織り交ぜたフィクションから始めるとしよう。それなら、読者も共に考え自身の結論を導き出すことができるだろう。読者の皆さんが日本に在住するブラジル人子弟の日常生活に考えをめぐらせる機会になることを期待したい。  パトリシアは、十歳の元気な女の子だ。毎朝、目覚し時計が鳴り響くとゆっくり ...

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知立市のブラジル人=生活保護をめぐる現実=自己破産の瀬戸際で=連載(下)=頼られるボランティア=対応に苦慮する窓口

ニッケイ新聞 2009年8月7日付け  【愛知県知立市発】「まずね、借金をして買い物をする、クレジットカードを作るということが間違っているんです。それが簡単にできてしまうこの社会はおかしいんですよ。あなたはどうしてお金がないのに車を買ったんですか」。  司法書士のもとへ行けば話が進むかと思われたが、意外にも、その司法書士の伊藤嘉 ...

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知立市のブラジル人=生活保護をめぐる現実=自己破産の瀬戸際で=連載(上)=窓口の職員は手一杯=2カ月で2百人が申請

ニッケイ新聞 2009年8月6日付け  【愛知県知立市発=秋山郁美通信員】知立(ちりゅう)市は、愛知県西三河地方に位置し、豊田、安城、刈谷の三市に囲まれた比較的小さな市だが、人口密度は高く、特に外国人は人口の六・五%と豊田市の三・九%を大きく上回る。市内の外国人の大半がブラジル人で、その半数二千人強が知立団地に住んでいる。昨年か ...

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「アマゾンの歌」を歩く=(終)=アマゾンの歌、その後

ニッケイ新聞 2009年8月1日付け  『アマゾンの歌』の取材のため、角田房子氏がトメアスーを訪れたのは一九六五年末。―それから四十四年。トメアスーをめぐる環境は大きく変化した。 作家が感嘆した整然と植えられたピメンタのみの畑はすでにない。 六〇年代の病害の蔓延でピメンタ一本だった農法の見直しが図られた。続く不作、七四年の水害で ...

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日伯論談=第13回=ブラジル発=日野寛幸=かえるプロジェクトの活動

2009年8月1日付け  サンパウロ州教育局(SEESP)のプロジェクト「デカセギ子弟のサンパウロ州の公立校への復帰」が六月に一年を迎えた。これは、移民百周年記念事業として始めた二つのうちの一つだ(もう一つはVIVA JAPAO)。  州立校に通う生徒を対象にしたプロジェクトの目的は、日本から来る、または戻ってくるデカセギ子弟や ...

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