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先駆者の努力に敬意を=中沢委員長全伯参加に期待

2003年1月1日(水)

 一九五三年一月に戦後移住が再開されてから今年で五十年。「今日ある日系社会の繁栄は、先駆移住者のたゆまぬ努力の賜物だ」とブラジル戦後移住五十周年記念祭実行委員会の中沢宏一委員長は、先人たちへの敬意を表す。
 昨年九月に発足した同委員会は、戦後の混乱期に移住した約五万四千人の移住者だけでなく、日系社会全体にとっても節目にしたい考えだ。中沢委員長は「私たち戦後移民を、寛容な気持ちで受け入れてくれたブラジルへの感謝を表すいいきっかけでもある」と記念祭の意義を強調。さらに、近年、デカセギによる空洞化などで連帯感が薄れつつある日系社会が五年後の移民百周年に向け、盛り上る機会だと位置づける。「有能な二世、三世と戦後移住者が協力することで、日系社会の活性化に大きく貢献できるはず」と中沢委員長。さらに「今まで戦後移住者は、日系社会の活動から遠ざかっていたとの批判もある。戦後移住者も高齢化しているだけに、日系社会に貢献する最後のチャンスでもある」と中沢委員長は戦後移住者の心情を代弁する。
 「日系社会と日本との交流が年々、薄れて行く。百周年を成功させるためにも、今回の戦後移住五十周年記念祭を日本との強いパイプを築く場としたい」と中沢委員長。すでにサンパウロ総領事館を通じて、日本政府要人の来伯を要請しているほか、岩手や宮城、広島の各県人会の記念式典も五十周年記念祭に合わせ、盛り上げを図る。
 サンパウロ周辺の一部の戦後移住者が中心になっていることについて、中沢委員長は「サンパウロ周辺だけで盛り上がるつもりはない。マナウス市でも記念祭委員会が発足したように、全国的に五十周年を祝う機運が広がって欲しいし、記念行事に参加してもらいたい。委員会に加わるだけでなく、資金的な援助や桜の植樹に関わるなど様々な形で協力してもらいたい」と全伯的に運動の広がりを期待している。

50年祭の組織構成

◇主催
 戦後移住五十周年記念祭言委員会
◇後援依頼団体
 日本国ブラジル大使館
 在伯日本国領事館
 国際協力事業団
 国際協力基金
 サンパウロ州
 ブラジル日本文化協会
 ブラジル日本都道府県連 合会
サンパウロ日伯援護協会
 ブラジル日本商工会議所
 ブラジル農業拓殖協同組 合中央会
ブラジル日系団体連合会
 コチア青年連絡協議会
 ブラジル工業移住者協会
 ブラジル東京農大会
 ブラジル農協婦人部連合 会
 南米産業開発青年隊
 東山研修生会
 沖縄産業開発青年隊
 ブラジル青年協会
 ブラジル日本青年会議所
 ブラジルふるさと創生協会

 委員会構成
◇顧問
 岩崎秀雄(ブラジル日本文化協会会長)
 和井武一(サンパウロ日伯援護協会会長)
 工藤章(ブラジル日本商工会議所前会頭)
 西徹(ブラジル日本都道府県連合会副会長)
◇委員長
 中沢宏一(ブラジル日本都道府県連合会会長)
◇副委員長
 菊池義春(サンパウロ日伯援護協会)
 小山昭朗(ブラジル工業移住者協会)
 香川公宏(コチア青年連絡協議会)
 峰村康(南米産業開発青年隊)
 石川準二(ブラジル東京農大会)
 吉峰昌昭(東山研修会)
 山城勇(沖縄産業開発青年隊)
 志村豊弘(ブラジルふるさと創生協会)

◇今年は戦後移住50周年=7つの行事を用意=実現へ向け実行委が大奮闘=100年祭へのステップに

◇先駆者の努力に敬意を=中沢委員長全伯参加に期待

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