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日本文化を踊ろう!=―ブラジルに生きる郷土芸能―=第7回=佐渡おけさ正調佐渡おけさでは、質の高い踊りを披露

8月23日(土)

 メトロのヴィラ・マチウデ駅から、田畑弘美さん(五〇)に案内されて辿り着いたヴィラ・マチウデ日伯文体協会(同区アントニオ・ジュヴェナウ街四四一)。ここでは毎週月曜日午後一時から、日本舞踊・藤間流の藤間芳寿先生のもと、日舞の稽古が行なわれている。第六回フェスチバル・ド・ジャポンに向け新潟名物「佐渡おけさ」の特訓を積んでいた婦人たちに先月中旬、踊りの感想を聞いた。

 おけさの由来

 佐渡おけさは、徳川幕府の財政を支えた佐渡金山のある新潟県相川町が発祥の地。九州の船乗りの酒盛り唄が佐渡島でオリジナル化したとされる。大正十三年、相川町有志が立浪会を設立、現在の佐渡おけさが完成いた。
 ちなみに、佐渡おけさの「おけさ」の語源は定かではないが、ある伝説が秘められている。その昔、ケサという飼い猫が飼い主の窮状を知り、可憐な乙女に変身して今までにない唄や踊りを披露して店を大繁盛させたとか。一般的には民謡のことを指すのではないか、と言われているそう。

 「踊り続けて欲しい」

 ブラジルで佐渡おけさが踊られ始めたのは約三十年前という。新潟県人会が主になって活動していたが、いつしか、メンバーが少なくなり継続が困難に。「正調佐渡おけさをつぶさないで、踊り続けて欲しい」。六年前、県人会から依頼を受けた藤間先生が、日舞の弟子たちに呼び掛けてメンバーを募り、毎年、フェスチバル・ド・ジャポンの時期に佐渡おけさの練習をするようになった。
 現在、藤間先生は月曜日にヴィラ・マチウデ、火曜日にスザノで日本舞踊を教授している。今年のフェスチバルには両地から八人の婦人たちが参加、正調佐渡おけさを踊った。日舞歴十数年のベテランもいれば、今回初めて佐渡おけさを踊る人もいたが、二ヵ月という短い練習期間にも関わらず、しなやかに、一糸乱れぬ団舞を披露した。

 熟練の技

 七月二十一日、フェスチバルに向けての稽古の最終日――。「佐渡おけさは、哀調を帯びながら、お囃子が入って賑やか」と藤間先生はいう。初めて佐渡おけさを踊った植村ふさ子さん(六五)は「本当に難しい」とため息をつく。
 七年ほど前、文協であったイベントで初めて佐渡おけさを踊ったヴィラ・マチウデ在住の南礼子さん(七七)。「緊張してあがった時は、隣を見て踊るのよね」と話す。それに対し、藤間先生は「頭が真っ白になっちゃうのよね。呼吸を合わせて、皆さんで一緒に踊ることが大切」とアドバイスする。
 スザノから二時間かけてヴィラ・マチウデの練習場へやって来た柏木巳代子さん(五六)は、日舞歴十二年のベテラン。それでも、「団体で踊るのは難しい」という。
 「若さで踊る踊りと、年をとってから味の出る踊りがある」と藤間先生。ヴィラ・マチウデとスザノの婦人たちの佐渡おけさには、熟練した女性の、しっとりとした技が編み込まれていた。
(門脇さおり記者)


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