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コロニアからもカーニバル参加=リオ、サンパウロ市で「移民」取り上げ=モジでは町の統一テーマに

ニッケイ新聞 2008年1月30日付け

 二〇〇八年のカーニバルが二月一日から始まる。日本移民百周年の今年は、リオ・サンパウロでスペシャル・グループのチームが「日本移民」を、サンパウロ市ではほかに「沖縄」をテーマに取り上げる所もある。さらに近郊モジ・ダス・クルーゼスでは、全体の統一テーマとして日本移民を採用するなど、かつてないほど日本、日系社会に注目が集まるカーニバルになりそうだ。開始一週間前の先週末には、リオ・サンパウロ市で関連イベントが開かれ、盛況を見せた。本番直前、各地の様子を伝える。

リオのカーニバル=州境超えて百周年に協力=パラナ州から150人参加へ

 日本移民百周年をテーマにしたリオのパレードにパラナ州から百五十人を送る――州境を超えて協力し合う計画が進行中だ。パラナ州百周年祭実行委員会(IMIN100、嶋田巧実行委員長)では、百周年をテーマにしたエスコーラ・デ・サンバ「ポルト・ダ・ペドラ」の第五連「希望の道の移民たち」に参加するべく練習を重ねている。
 この連はリオ州日本移民百周年記念委員会が人集めを担当しており、日本人と日系人の約二百人だけで構成され、笠戸丸を模した山車の後ろに位置する。地元リオの日系人約五十人、日本の浅草サンバカーニバル関係者に加え、パラナ州から約百五十人が参加する。
 リオ総領事館広報文化センターも協力しており、「山ほど写真などの資料を提供した」。それをモチーフにブラジル的なデザイン「キンキラキンの柔道着の背中に大きな日の丸」という雰囲気の衣装になっているという。
 パラナ勢はマリンガとロンドリーナとクリチバからバスを連ねて参加する。西森ルイス弘志パラナ州式典委員長は「世界的に有名なリオのカーニバルで、日本移民をオメナージェンしてもらえるのは大変名誉なことだ」とのメーセージを寄せて喜ぶ。
 フォーリャ紙二十九日付けによれば、同エスコーラ全体で四百人もの日本人・日系人が参加する予定。
 笠戸丸の山車の上には、エスコーラから島内憲駐ブラジル大使と福川正浩リオ総領事に招待状が出されており、その結果が注目されていた。世界に誇るカーニバル文化に着物姿で参加するとの推測もあったが、ニッケイ新聞が問い合わせたところ、島内大使は「出ない」、福川総領事は「検討中」という。
 パレード開始は二月三日午後十時から。

モジ=レイ・モモに初の日系人=移民百周年が統一テーマ

 カーニバル全体が日本移民百周年をテーマにするサンパウロ市近郊のモジ・ダス・クルーゼス市では、祭典自体を象徴する存在であるレイ・モモにも初めて日系人が選ばれた。「カーニバルの主」ともいわれる重要な役割で、カーニバルに関係する行事に参列してPRすると共に、当日は全てのパレードに参加する。
 ダンテ・タカヒロ・ヤスダさん(二世、22)で、身長百六十八センチ、体重九十三キロの立派な体格。レイ・モモは裕福さを感じさせる豊満な姿態をし、社交的で、サンバのステップに習熟していることが求められる。
 大学の体育学部で勉強するかたわら、柔道の練習も欠かさないヤスダさんは、「まさか自分がなるとは思っていなかった。でも、百周年記念に恥ずかしくないよう、しっかりと役割を果たしたい」と十一日付けモジニュース紙に抱負を語った。
 「ブロッコ及びサンバ学校協会」(Amesb)が主催する同市のカーニバル。ニッケイ新聞の取材に対し、安部順二市長は「私の方からは一切頼んでいない。テーマ選びも自主的に行った結果。これは市民一般からの、日系人への敬意の表れであり、本当に嬉しい」と語った。
 安部市長は〇一年に就任して以来、カーニバルの振興に注力しており、一般市民が年間を通してエスコーラを中心とした地域コミュニティ活動に邁進するように支援してきた。
 市役所からは今回も三十三万レアルを分割して各エスコーラやブロッコに資金援助しているのに加え、会場設営に四十万レアルを投資している。
 サンバ学校協会のワウジール・ペレイラ会長も「ジュンジがモジのカーニバルを救った。市の協力なくして、ここ数年の立派なパレード実現はあり得なかった」と十一日付け市広報に語っている。
 二日二~三日の午後七時半から五チームずつがパレードする。会場はAv.Ismael Alves dos Santos(バス・ターミナル横)。入場料はアルキバンカーダが三レアル。

プローヴァ・デ・フォーゴ=サンパウロ市=今年は「沖縄」テーマに=県人会から4百人が参加

 「沖縄」をテーマに取り上げるエスコーラ「プローヴァ・デ・フォーゴ」(グルッポ・アセッソ)には、二千人のうち沖縄県人会から約四百人が参加する。
 エンヘードのタイトルは、「日本移民百周年―守礼之邦・沖縄(Cem anos de Imigracao Japonesa,Prova de Fogo e Okinawa “a terra da cortesia” neste Carnaval)」。沖縄の歴史や自然、文化を称えた内容で、「ウチナーンチュ」「ゴーヤ」「ミルク(弥勒)」といった歌詞が随所に出てくる。昨年まで沖縄に在住していた加藤祐司・亜紀さん夫妻らによるグループ「ユージ・ド・ペイシ」が作曲に携わっている。
 エスコーラの要請を受けた県人会で、副会長の与那嶺真次さんたちが中心となって各支部に参加を呼びかけ。当日は踊りのほか、空手や太鼓、山車などに計四百人が参加する予定だ。
 与那嶺さんによれば、同エスコーラに県人会から参加するのは二回目。前回はエイサー太鼓のグループが参加した。全体のテーマとして沖縄が取り上げられるのは「初めてだと思う」。
 県人会から資料を提供、エスコーラの関係者が県人会で〃勉強〃し、構想を練った。首里城守礼門や三線(沖縄三味線)などをテーマにした山車が沖縄色を強調する。
 二十五日午後にリベルダーデの県人会館で行なわれた練習には、百人以上が参加。エスコーラ関係者とともに、約二時間、歌と踊りを練習した。
 「(サンパウロ州)奥地にいた若い頃地元のカーニバルに参加したけど、それ以来。楽しいですね」と話すのは、パトリアルカ支部から訪れた七十代の女性。練習に参加した与儀昭雄会長は、「沖縄県系だけでなく、広くブラジル社会に沖縄を紹介してくれるのはありがたいこと」と話していた。
 プローヴァ・デ・フォーゴのパレードは二月三日午後十時ごろからアニェンビーのサンバ会場で行なわれる。

リオ市=世界サンビスタの集い=日系出場者も会場沸かす

 ブラジルをはじめ、ヨーロッパ各国やアメリカなど世界各地のサンバ愛好家らが参加するイベント「第三回世界のサンビスタの集い」が二十七日午後三時から、リオ市シダーデ・ド・サンバで開幕した。
 主催者の一人でサンバのグローバリゼーションを研究するジャイール・カルメンス・ミランダさんは、「ブラジル国内では現在でもサンバは低く見られるが、もはや世界に誇る文化だ」と公演で話し、拍手を送られた。
 日本から参加した浅草エスコーラ・デ・サンバ協会(AESA)の松重隆会長は、「多くのサンバ愛好家がおり、八月に開催される東京・浅草カーニバルは数万人を動員する」と日本のサンバ状況についてスピーチ、来場者らの関心を呼んでいた。
 その後、世界各国のサンバ団体によるパフォーマンスが行われた。
 日系代表として、大城ヴィットル(15、サンパウロ)、新里比嘉イゴルさん(27、リオ)ら日系三世、サンパウロ大学留学生の仲啓志さん(22、埼玉)の三人による日伯混合サンバ・バンド「Grupo Tem Japones no Samba」が出場。アドニラン・バルボーザなど、サンパウロのサンバを披露、会場を沸かせた。
 なお、イベントは、三十日まで行なわれ、地元サンバ・ミュージシャンを迎えての楽器演奏やダンスのワークショップも行なわれ、カーニバルを直前に控えての前夜祭となる。
 低音打楽器タンタンを演奏した仲さんは、「世界でこんなにサンバ愛好家がいるなんて」と驚きながら、各国からの参加者と交流を楽しんでいた。

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