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佐藤外務副大臣=新政権に日伯関係強化を期待=4世ビザ、制度見直し検討へ=日メルコEPA交渉にも意欲

先亡者慰霊碑に献花した佐藤外務副大臣

先亡者慰霊碑に献花した佐藤外務副大臣

 日系社会との関係強化を目的として、日系社会、進出企業関係者との意見交換のため、佐藤正久外務副大臣(58、福島県、自民党参議院議員)は、8~10日にかけてサンパウロ市を訪問中だ。8日、イビラプエラ公園内日本館で本紙取材に応じた佐藤外務副大臣は、ボルソナロ新政権のもとでの日本とブラジル、および日系社会との更なる関係発展に意欲を示した。

 佐藤外務副大臣は、「やっと来られて喜んでいる。一番の目的は日系社会との交流だ。日本と中南米が共に発展してゆくためには、日系社会との関係強化は絶対に必要」と強調した。第三次安部内閣で17年8月から外務副大臣に就任。来伯は今回が初めて。
 日系社会から要件緩和の声が相次いでいる日系四世受入制度の見直しについて訊くと「始まって半年の制度だが、目標数に達するのは難しい」と認識を示した。3月末迄に4千人を見通していたが、当地での査証発給件数は一桁の域を出ておらず、目標には遥か遠い。
 「どこに課題があるのか含め真摯に意見を聞きながら、制度本来の目的である日伯の懸け橋として四世の活躍の場を広げる意味でも、どういう形が適切なのか、制度の見直しを含めて検討を継続していきたい」と前向きな姿勢を示した。
 今年度3月末まで予算が付いており、4月以降の見通しが不透明だったサンパウロ・ジャパン・ハウス(JH)については「本年度と同じ規模で10数億円が付いている」という。政府予算案は先月21日に閣議決定されており、政府は今後通常国会での早期成立を目指す。
 副大臣は「いずれは独立採算ができれば良いが、その流れが上手く出来るまでは引き続き支援してゆく必要性がある。サンパウロJHは成功例。リピーターを含めた継続について知恵を出し合っていきたい」と見通した。
 最後に、ボルソナロ新政権下での日伯関係の展望について「新政権の誕生を歓迎したい。ブラジルの経済含めた活性化、日伯関係強化を期待したい。戦略的グローバルパートナーシップの枠組みのなかで、色々な分野で強化してゆくことが大事だ」と期待を寄せた。
 なかでも経団連から早期交渉開始の要望が出されている日本と南米南部共同市場(メルコスール)との経済連携協定については「EPAの早期実現の必要性は互いに認識しており、その重要性は疑うところがない」と強調した。
 続けて「どういうタイミングでセットするか、今後の協議の段取りをしているところ。新政権との間で最後の詰めを出来ればよいと思っている」と話し、「現在TPP11が発効され実行に移す段階にあり、日米物品貿易協定の協議も本格化する。全体のなかで日メルコEPAを考えていく必要がある」と展望した。
 同副大臣は10日にはチリのサンチアゴに発ち、11日に帰路に着く。

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