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《ブラジル》7人もの議員に護衛が付く=脅迫の対象は左派右派問わず=「過去に例を見ない多さ」

カルラ・ザンベッリ下議(Cleia Viana/Câmara dos Deputados)

カルラ・ザンベッリ下議(Cleia Viana/Câmara dos Deputados)

 ブラジルでは議員への脅迫行為が後を絶たず、護衛が付いた連邦議員は7人と過去最高に達したと、3日付現地紙が報じた。
 「お前がボディガード付きで歩いていることは知っている。だけど、お前の性器はどうかな」。これがカルラ・ザンベッリ連邦下議(社会自由党・PSL)宛に送られてきた差出人不明のEメールだ。
 こうした脅迫メールが頻繁に届くようになり、下院は同議員に護衛を2人つけることを決めた。「脅迫を受け始めたのは2015年。ちょうど大統領罷免の動きが盛り上がってきた頃よ。私や息子を殺すためのヒットマンをインターネットで雇おうとする動きもあったわ」と同下議は語る。
 1カ月以上前から護衛が付いているタリリア・ペトローネ下議(社会と自由党・PSOL)も、「政治的な意図をもった暴力は広がるばかり。民主主義にとって深刻な危機よ」と語る。
 議会には、「銃規制緩和推進議員団」や「農村議員団」「宗教議員団」などのグループがあるが、E紙は、「“護衛付議員団”も大きくなっている」と評している。
 現在、護衛付の連邦議員は7人おり、その内5人は殺害予告を受けている。昨年は、こうした議員はジェーン・ウィリス元下議(PSOL)1人だった。同氏は昨年の選挙で再選したが、身の危険を感じ、就任前にブラジルを離れてしまった。
 ザンベッリ下議、ペトローネ下議以外に、脅迫されて護衛を求めた議員は、マルセロ・フレイショ下議(PSOL)、ジョイセ・ハッセルマン下議(PSL)、アレ・シルヴァ下議(PSL)で、政治志向の左右を問わない。
 これら5議員に、ボウソナロ大統領の息子のエドゥアルド下議とフラヴィオ上議(共にPSL)を加えた7人が護衛付だ。ロドリゴ・マイア下院議長とダヴィ・アルコルンブレ上院議長(民主党・DEM)も、議長特権で護衛を付けている。
 議員に対する卑劣な脅迫行為を行っている犯人は、捕まっていない。諜報関係の専門家は、いかなる脅迫も、犯人が捕まるまでは、「ただの脅しでなく、本当にやろうとしていると警戒して対応するべき」と語る。
 ザンベッリ下議は、自分と息子を脅迫している人物は身元を隠して使える暗黒ウェブの掲示板を使っているのではと疑っている。同ウェブ利用者の一部は既に、サンパウロ州スザノ市で発生した公立校での虐殺事件や、ウィリス下議への脅迫事件への関与が疑われ、捜査を受けている。
 ザンベッリ議員は執務室に警報機や監視カメラを設置した他、自費でも警護を雇い、防弾車購入も検討している。
 下院ゼネラル・ディレクターのセルジオ・サンパイオ氏は、「こんなに護衛をつけなくてはいけない議員がいるのは、間違いなく初めてのこと」と語っている。

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