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東西南北

 イギリスの雑誌「ランセット」が最新号で、ボルソナロ大統領を「ブラジルのコロナウイルス対策の最大の脅威」と呼んで酷評した。同誌は約200年の歴史を誇り、保健関係では世界的な権威だ。大統領は過去に米国やイタリアの新聞でも酷評されている。そんな最中、大統領は今週末、約30人の来客を招いてシュラスコやサッカーをする予定だという。ここ連日、感染者が1日に約1万人のペースで増え、来週にはドイツやフランスの感染者数を抜くと予想される上、死者総数も週末に1万人を超えるのが確実だ。世界の目がよりブラジルや自分に向きやすくなるが、大統領はそのことを自覚しているのだろうか。
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 リカルド・サレス環境相が、所属政党ノーヴォから除名処分を受けていたことが明らかになった。同相は昨年8月に法定アマゾンの森林火災が増加した際も対応の甘さを批判され、最近も、ガリンペイロの不正行為の捜査を行おうとした国立再生可能天然資源・環境院(IBAMA)の責任者を解雇したりして問題視されていた。今回の除名の理由は「党に無断で大臣職就任を了承したこと」。新興保守政党として注目の同党も大統領との折り合いは微妙か。
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 ここ最近、週末になるとボルソナロ大統領と支持者の行動が物議を醸す事態が続いている。サンパウロ市では、コロナの感染拡大を抑制するための隔離政策反対を訴える車両デモ(カレアッタ)が繰り返されている。来週からはロディジオの厳格化などが始まる予定なので、車両デモも制限を受けることが必至だが、その前の最後の週末。今回は何が起きるのか。

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