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《ブラジル》環境相が森林火災対策中止を発表して評価上げる?!=アマゾン責任者の副大統領が慌てて否定

サレス環境相(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 リカルド・サレス環境相が8月28日、予算凍結を理由に、「森林伐採や森林火災を取り締まる全ての活動を中止する」と宣言した。だが、その直後にアミウトン・モウロン副大統領が「対策費は凍結されていない」と弁明し、森林対策は継続と約束した。8月28~31日付現地紙、サイトが報じている。
 サレス環境相は8月28日午後、森林火災や森林伐採に対する対策費用が凍結されたため、8月31日から取り締まりを打ち切ると発表した。
 サレス氏によるとこのアナウンスは、経済省から、国立再生可能天然資源・環境院(IBAMA)の予算2097万レアルとシコ・メンデス研究所(ICMBio)の予算3970万レアルが凍結されたとの連絡を受けてなされたという。
 サレス氏によると、6千万レアルに及ぶ予算凍結は、27日に受けた2千万レアルの資金凍結の連絡に次ぐものだ。資金凍結は大統領府秘書室と官房長官室が決めたものとの説明を受けたサレス氏は27日、官房長官に2千万レアルは不法伐採や森林火災対策費だと説明。だが、その翌日には凍結額が6千万レアルに増えたという。
 この資金凍結により、全国で1800人の消防士、400人の監視員、トラックや飛行機、ヘリコプターなどが使えなくなり、法定アマゾンでの森林伐採やパンタナルでの森林火災対策が出来なくなると発表した。
 だが、28日夕方、サレス氏の発表を耳にしたモウロン副大統領がこれを真っ向から否定した。

 「環境相の早合点だ。連邦政府は(新型コロナウイルス対策の)緊急支援金の財源確保のため、全省庁から少しずつ予算を削っているが、IBAMAやICMBioの予算は、(経済省の計画書に名前が出ただけで)凍結されていない」とし、「これまで通りに対策は続ける」と約束した。副大統領は法定アマゾン審議会の議長でもある。
 グローボ紙によると、(軍人閣僚の代表格であるエドゥアルド・ルイス・ラモス大統領府秘書室長官とブラガ・ネット官房長官によって)予算が凍結されたから対策を打ち切るとのサレス氏の発表は、軍部にとっては寝耳に水のものだった。「予算を凍結しても苦情は出ない」と高をくくっていた軍人たちは不快感を示し、サレス氏解任を求める声が強くなっているという。
 これを受け、ネット上では、ボウソナロ大統領支持者の間でサレス氏を擁護する動きが起きた。代表は大統領次男カルロス氏や三男エドゥアルド下議、社会自由党(PSL)などで、「私たちはサレス氏の味方」とのハッシュタグで支持を示したり、「よくやった」と賞賛したのに対し、サレス氏が感謝を示す一幕が見られた。
 サレス氏は、4月20日の閣議の動画漏洩後、環境基準を緩める政策を行おうとしていると批判されていた。だが今回の副大統領の発言後、「予算凍結は解かれた」から「取り締まりは続ける」と発表。「大統領と共にブラジルや国民、環境のために戦う」と語ることで、名誉を挽回した形となった。

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