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旧コチア産組=関係者と青年先亡者慰霊祭=国士舘に全伯から40人=志半ばで眠った仲間悼む

2020年度コチア組合関係者およびコチア青年先亡者合同慰霊祭

2020年度コチア組合関係者およびコチア青年先亡者合同慰霊祭

『2020年度コチア組合関係者およびコチア青年先亡者合同慰霊祭』が12日午前9時半から、サンパウロ州サンロッケ市の国士舘大学スポーツセンター内の国士舘青年広場で行われた。コロナ禍の中にも関わらず、コチア青年連絡協議会(前田進会長)の会員ら約40人が地元サンロッケ、イビウーナ、ピエダーデ、バルジェングランデ、イタペチニンガ各市のほかサンパウロ市、ミナス、アマゾンなどブラジル各地から集まり、先亡者を慰霊した。その後、バルジェングランデの「ブッフェ奄美」に会場を移して恒例の忘年会を行い再会を祝した。

アマゾンからも来聖

『自然と人類の共存』と書かれた『コチア青年移住五十周年記念之碑』(2005年9月18日建立)

『自然と人類の共存』と書かれた『コチア青年移住五十周年記念之碑』(2005年9月18日建立)

 真っ青に晴れ上がった空の下、右に下元健吉・コチア産業組合初代理事長、左に〝移民課長〟と呼ばれてコチア青年の面倒を見た山中弘・コチア産業組合中央会拓殖課長の胸像に守られて建立された「コチア青年移住五十周年記念之碑」。その前に、色とりどりの菊の花鉢が供えられ、定刻通りに慰霊祭が始められた。
 総務の羽鳥愼一さんの司会で前田会長が「コロナ禍の中、地元の方々に慰霊祭の準備をしていただき感謝します」とあいさつ。浄土宗イビウーナ日伯寺の櫻井聡祐(そうゆう)主任開教使が、大西洋岸森林地帯の原生林に玲瓏(れいろう)と響き渡る鈴の音とともに朗々と読経した。
 開教使がたく焼香と仏教賛歌が流れる中、参列者たちは白菊の花を献花した。

「日系社会存続のためにコチア青年が中心になって最後の社会奉仕をしてもらいたい」と熱弁を振るう援協評議員会の菊地義治会長

「日系社会存続のためにコチア青年が中心になって最後の社会奉仕をしてもらいたい」と熱弁を振るう援協評議員会の菊地義治会長

 読経を終えた開教使は「毎年9月下旬に慰霊祭が行われているが、今年はコロナ・ウィルスの影響を避けるために日延べして実施された。この未曽有の世界的危機の中で、皆さん窮屈な思いをされました。今年亡くなった方も葬儀ができず寂しい思いをされたことと思います。お釈迦様は一切皆苦とおっしゃっており、そこから〝四苦八苦〟という言葉が生まれました。四苦は生老病死で、八苦は愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦の四つを足した苦しみ。これからも第二波、第三波と来る苦しみに耐え、記念碑に書いてある『自然と人類の共存』を実現して行かなければなりません」と含蓄のある説教をした。
 その後、バルジェングランデ市のブッフェ奄美で忘年会が開かれた。同連絡協議会の広瀬哲洋副会長が司会、前田会長が「来年はコチア青年移住66周年に当たり、記念式典のための総会を3月14日に予定している」とあいさつした。

 開発青年隊として移民したサンパウロ日伯援護協会の菊地義治評議員会長は「きょうは、先に亡くなった仲間の供養をするコチア青年の皆さんの姿を見て感動しました。亡くなった方々の供養は日本人として人間として当たり前のことですが、実行している人は少ない。日系社会存続のためにも、皆さんがリーダーとなり最後の社会奉仕と思ってコロニアを引っ張ってもらいたい」とあいさつ、万雷の拍手を浴びた。
 コチア旧友会の長田勝前会長が乾杯の音頭を取り「万歳」三唱した。

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