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【2021年新年号】東京五輪サッカー=恐るべき新世代の主力選手=ブラジル2連覇、なるか!

レアル・マドリッドのロドリゴ(Douglas Teixeira from Santos, Brasil, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 あくまで2021年7月までに感染爆発が収まっていた場合の話ではあるが、1年延期になっていた東京オリンピックが開催される。ブラジル的に気になるのはやはりサッカー。前回、2016年のリオ大会では、悲願の金メダル獲得を果たした。東京で2連覇がかかるわけだが、今大会でのセレソンを占ってみよう。

世代的には大豊作

 今回のセレソンは世代としてはかなりの豊作だ。通常、五輪では「23歳以下の選手」というのが義務付けられているが、今年は規定により、昨年に五輪に出場できるはずだった、2021年に24歳になる選手たちの出場が認められているのだ。この「97年生まれ組」に好選手が続出している。
 もっとも優秀すぎるがために「所属チームが五輪出場を許可しないであろう選手」まで含まれている。例えば前回リオ大会での活躍も記憶に新しいガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)やリシャルリソン(エヴァートン)といった、本代表にも欠かせない攻撃の軸の選手たちだ。彼らは五輪を想定した代表招集にはこれまで一度も呼ばれておらず、出場しないと予想される。
 だが、彼らを必要としないほどに、今回の五輪代表が予想される選手たちのレベルは高い。20年1〜2月に行われた五輪出場チームを決める南米予選では、国内リーグ所属組と欧州クラブの補欠だけで組んだチームで、無敗のまま五輪出場を決めた。

ヘルタのマテウス・クーニャ(ヘルタ)(Willibald11, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons)

 そのときのメンバーだったマテウス・クーニャ(ヘルタ)は今ドイツ・ブンデスリーガの得点王争いの上位につける選手となり、アントニーはオランダの強豪アヤックスの攻撃に欠かせないメンバーとなっている。
 招集が予想される選手は、ゴールキーパーを除けば豪華だ。センターバックにはミリトン(レアル・マドリッド)にガブリエル(アーセナル)。サイドバックにエメルソン(ベティス)にレナン・ロディ(アトレチコ・マドリッド)。ボランチに本代表のドウグラス・ルイス(アストン・ヴィラ)にブルーノ・ギマリャンエス(リヨン)。
 攻撃陣には先述したクーニャやアントニーに加えてルーカス・パケタ(リヨン)、エヴァニウソン(ポルト)などが考えられるのに加え、すでにレアル・マドリッドの攻撃陣で活躍のロドリゴやヴィニシウス・ジュニオルも召集の可能性がある。
 いずれも世界の強豪クラブのレギュラー・クラスであり、いわゆる五輪代表のレベルをはるかに超えている。これに加えて、現在国内リーグ首位のサンパウロからもイゴール・ゴメス、ブレネル、ガブリエル・サラのトリオも召集対象だし、昨年のU17世界一の選手ですでに国内リーグのレギュラーで活躍中のガブリエル・ベロン(パルメイラス)、カイオ・ジョルジェ(サントス)、タレス・マグノ(ヴァスコ)も、すでに召集されるだけの力は十分に持っている。戦力だけなら、もう十分世界一を狙える。

ライバルになりそうな国は?

レアル・マドリッドのミリトン(Антон Зайцев, CC BY-SA 3.0 GFDL, via Wikimedia Commons)

 では、次にブラジルのライバルになりそうな国を見ていくことにしよう。
 強敵を探すとするならば、それはスペイン、フランス、ドイツがまずあがるだろう。筆者が注目するのはスペインだ。それは2020年の欧州のクラブで若手選手の台頭が目立っているためだ。
 フォワードには弱冠18歳のアンス・ファティ(バルセロナ)をはじめ、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、現在スペイン国内得点1位のオヤルザバル(レアル・ソシエダ)、ソレール(ヴァレンシア)、サイドバックに得点能力の高いアンへリーニョ(ライプチッヒ)など、伸び盛りの選手が目立ってきている。
 フランスは、現在の世界最高峰のエムバペ(PSG)の出場は微妙だが、仮に彼が参加可能となれば盛り上がるだろう。アワール(リヨン)、18歳のカマヴィンガ(レンヌ)など中盤にも光る選手がいる。
 ドイツは、やや地味ではあるが、チェルシーの若きゲームメーカー、カイ・ハフェルツがクラブの承諾で召集されれば、彼を中心に攻守まとまったチームが組めるだろう。
 南米の宿敵アルゼンチンは、現在の本代表のメッシに次ぐ得点源、ラウタロ・マルチネス(インテル・ミラン)がいるといないで大違いだが、彼の召集が気になるところ。若い世代に注目株は多く、攻撃ならマカリスター(ブライトン)、中盤のパラシオス(レヴァークーゼン)、守備のフォイス(ヴィジャレアル)など好選手が目立つ。なお、南米予選でブラジル五輪代表は同国代表に3−0で圧勝している。
 まだ決まっていないが、北・中米代表はかなり気になるところだ。それは2026年のW杯の開催が米国、カナダ、メキシコの共同開催で、いずれの国も若い世代に力を入れてくるはずだからだ。
 実際、米国は現状の本代表も五輪代表とほぼ変わらないメンバーを組んでいるが、チェルシーの主力のプリシッチをはじめ、18歳でドイツ強豪ボルシア・ドルトムントでレギュラー格のレイナ、デスト(バルセロナ)、マケニー(ユベントス)など、同国過去最高の人材が台頭し始めている。

サンパウロFC時代のアントニー(アヤックス)の活躍を伝えるガゼッタ・エスポルチーバ電子版記事

オーバーエイジ枠はどうなる?

 あと、五輪の場合は3選手に限りオーバーエイジ枠が使えるが、これを各国がどう使うかも見ものだ。
 ブラジルの場合、リオ大会ではネイマールがこの枠で出場し優勝に貢献しているが、もう今回はさすがにロンドン大会からの3大会連続出場は可能性が薄いだろう。もっとも、今回のブラジル五輪代表は対象年齢の選手で十分層が厚いので、むしろ手薄なキーパーを補充したほうがいいだろう。
 そこで、2019年の世界ナンバーワン・キーパーにも選ばれたアリソン(リバプール)を加えれば、本代表と変わらないかなり強力なチームも夢ではない。
 他の国の出方は不透明だが、エジプト代表が、現在、欧州でも屈指のストライカーとなっているモハメド・サラー(リバプール)の召集を明言しているのも気になるところだ。  

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