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《ブラジル》1週間で1万人死亡=コロナ死者数平均、過去最多更新=サンパウロ州でも入院率80%超に

コロナ禍を伝えるニュース番組(Twitter)

 ブラジルにおける新型コロナウイルスの感染状況がますます悪化している。全国での死者は1週間で1万人を超える状態が起き、1日平均の感染者も過去最多を更新中だ。6日からこれまでで最大級の外出自粛規制がはじまったサンパウロ州でも、入院率が80%を超えるなど、医療崩壊を不安視する声が起こっている。6〜8日付現地紙が報じている。
 メディアの集計によるとブラジルは2月27日以降、直近7日間の死者の平均数が新記録を毎日更新している。2月27日は1180人/日で最多だったが、その後も、5日は1423人/日、6日は1455人/日と記録を更新し続け、7日には1497人/日にまで伸びた。
 1〜7日までに全国で記録したコロナによる死者は1万482人と合計で1万人を超え、7日に記録した新たな死者1054人も、日曜日としては過去最多で、この日に記録した死者の数では世界一だった。7日付の新規の感染者数も、ワールドミーターの発表によると8万24人で2位の米国の4万1967人の2倍近い数字だ。
 6日より州全域で外出自粛規制レベルが最低の赤レベルに達し、20時から翌朝5時までの外出禁止令を出したサンパウロ州でも、7日は州全体の集中治療室の占有率が80・5%に達し、はじめて80%を超えている。
 7日付の統計によると、自治体毎の集中治療室の占有率は、バウルーで96・9%、プレジデンテ・プルデンテで96・04%、アララクアラで93・97%と、3地区で90%を超えている。大サンパウロ市圏でも81・17%を記録している。

 サンパウロ州でこれだけの勢いで感染が爆発している背景には、変異株、とりわけ、今年1月にアマゾナス州マナウス市で見つかり、同市では昨年12月から感染しはじめていたことが確認されている「P1型」による感染の広がりがある。
 CNNブラジルが6日付で報じたところによると、大サンパウロ市圏の感染者91人のサンプルを調べてみたところ、77%までがこのP1型に感染していたことが確認されたという。
 こうした状況を受け、ボルソナロ大統領は8日午前、ゲデス経済相らとの会議の後、上半期のうちにファイザー社のワクチン1400万回分を受け取ると発表した。連邦政府は先日、同社のワクチン購入を決め、5月に200万回分、6月に700万回分の受け取りを予定していた。
 だが、8月分の予定だった1千万回分の内の500万回分を前倒しして、1400万回分を6月までに受け取ることになったという。ブラジルは年内に9900万回分のワクチン購入を交渉中だ。
 ファイザー社のワクチンに関しては、2月23日に国家衛生監督庁(ANVISA)が正式登録の承認を出していたが、ボルソナロ大統領はすぐに動こうとはしなかった。
 それどころか、6日、連邦政府が昨年の8月、ファイザー製薬から打診されていた7千万回分のワクチンの購入を拒絶していたことが報じられた。仮にこれを断らずに受け取っていたら、現時点で300万回分のワクチンがすでに使われていたとの試算も行われている。

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